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去年3位のFC大阪、5連敗と不調の原因は?

去年3位のFC大阪、5連敗と不調の原因は?

FC大阪の不調は、守備崩壊よりも得点までの最後の質が落ちていることに集中している。4月17日の愛媛FC戦は0-1。これで第7節・ツエーゲン金沢戦から、PK戦での敗戦を含めて5試合続けて勝ち切れていない。

2025年のJ3で3位に入ったチームが、なぜここまで苦しんでいるのか。答えは一つではないが、試合結果とクラブ公式コメントを合わせると、焦点はかなりはっきりする。

  • 直近5試合は、PK敗戦2つを含む5連敗
  • 第7節から第11節までの5試合で、90分間の得点は2点
  • 藪田光教監督、選手コメントともに「ゴール前」「パスの質」「決め切る姿勢」に課題が集中
  • 百年構想リーグは昇降格なしだが、勝点や最終順位に応じた特別助成金があるため、消化試合ではない
目次

何が起きているのか

まず、直近の流れを整理したい。

FC大阪は3月15日の第6節・愛媛FC戦を1-0で勝ったあと、勝利から遠ざかっている。第7節の金沢戦、第8節のアルビレックス新潟戦はいずれも0-0からPK戦で敗戦。第9節の徳島ヴォルティス戦は0-1、第10節のカターレ富山戦は1-2、第11節の愛媛FC戦は0-1だった。

百年構想リーグの地域リーグラウンドでは、90分で同点の場合にPK戦を行う。PK敗戦でも勝点1は入るが、勝敗としては白黒がつく方式だ。したがって「5連敗」と見る場合は、金沢戦と新潟戦のPK敗戦も含めた連敗になる。

相手結果見えた課題
第7節ツエーゲン金沢0-0、PK敗戦無失点でも勝ち切れず
第8節アルビレックス新潟0-0、PK敗戦連続無得点
第9節徳島ヴォルティス0-1チャンスを得点にできず
第10節カターレ富山1-2追いついた後のもう一押し不足
第11節愛媛FC0-1前半の守備強度と攻撃精度

最大の原因は「崩せない」より「仕留め切れない」

不調の中心にあるのは、攻撃の出口だ。

2025年のFC大阪はJ3で3位。Football LABのシーズン比較では、2025年の成績は21勝8分9敗、55得点33失点、得失点差+22だった。平均得点は1.45。大崩れしない守備と、勝ち切るだけの得点力が両方あった。

しかし、2026年の百年構想リーグでは様子が違う。FC大阪公式の試合日程・結果を追うと、第7節から第11節までの5試合で90分間の得点は、美馬和也が富山戦で決めた1点と徳島戦前までを含めた流れの中で限られ、愛媛戦でも無得点に終わった。

チャンスはあるが、最後が合わない

徳島戦後、藪田監督は攻撃練習に取り組んできたことを明かしながら、決める場面で決めないと勝てないという趣旨のコメントを残している。野瀬龍世も、ボールを持てた感覚やチャンスの多さに触れつつ、課題は決定力だと受け止めていた。

ここで重要なのは、まったく前進できていないわけではない点だ。

徳島戦では、相手の5バックに対してポケットを使う狙いや、サイドからクロスへ持ち込む形が語られている。つまり、チームとして狙いは持っている。ただ、クロスの質、ペナルティエリアへの入り方、シュートのタイミングが得点に届いていない。

ここがポイント: FC大阪は「何も作れないチーム」になったのではなく、作った先で相手を仕留める精度を欠いている。

守備面は前半の入りと強度が揺れている

攻撃だけではない。第11節・愛媛戦では、藪田監督が前半の内容について、ここ最近で最も悪かったという趣旨で振り返っている。特に、ボールへのプレッシャーや守備のアグレッシブさが足りなかったという見立てだ。

これが今のFC大阪をさらに苦しくしている。

  • 無失点で耐えても、PK戦で落とす
  • 先に失点すると、得点力不足が重くのしかかる
  • 追いついても、逆転まで持っていく余力を出し切れない

富山戦では1-2で敗れたが、美馬和也は相手の背後を狙い、セカンドボールを拾う意識を共有していたと説明している。そのうえで、相手のクオリティや総合力が上回ったと受け止めていた。

これは単なる精神論ではない。J2経験を持つ相手、カテゴリーが上のクラブとの対戦では、ルーズボール、切り替え、ゴール前の一手で差が出る。FC大阪はそこを埋め切れていない。

起用面では競争が始まっている

不調の中で、メンバー競争は動き始めている。

愛媛戦では鳥山陽斗がデビューし、夏川大和も久しぶりに出場した。鳥山は、チームが勝てず得点も取れていない状況で、自分に求められている役割を「点を取ること」と受け止めていた。夏川も、外から見ていて最後の質が足りないと感じていたと話している。

藪田監督も富山戦後、42人の選手がいる中で、得点がないことで出場機会を得る選手も増えるという趣旨のコメントをしている。これは、固定メンバーへの信頼を捨てるというより、結果を出す選手をピッチに送り込む段階に入ったということだ。

若手と控え組が変えられるもの

今後のFC大阪を見るうえで、注目したいのは途中出場の選手が何を変えられるかだ。

  • 相手の背後へ走る回数
  • クロスに入る人数とタイミング
  • シュートを打つ判断の速さ
  • 失点後にチーム全体の狙いをそろえる声かけ

夏川は、ベンチ外の選手たちが良い取り組みをしているとも話している。練習の強度が試合の得点に変わるか。ここが次の焦点になる。

百年構想リーグだからこそ、立て直しの意味は大きい

百年構想リーグは、結果による昇格・降格がない。Jリーグ公式の大会概要でも、J2・J3百年構想リーグの結果による昇格・降格はないと明記されている。

ただし、だから軽い大会というわけではない。地域リーグラウンドは勝点1ごとに特別助成金が設定され、プレーオフラウンドの最終順位にも意味がある。何より、2026-27シーズンへ向けたチーム作りの途中経過が、そのまま公式戦で可視化されている。

FC大阪にとっては、昨季3位の看板を守るだけでなく、J2勢や勢いのあるクラブとぶつかる中で、どこが次の基準に足りないかを測る期間でもある。

次に見るべきポイント

不調の原因を一言でまとめれば、守備の大崩れではなく、攻撃の最後と試合中の統一感が勝点を削っているということになる。

次節以降、見るべきポイントははっきりしている。

  • 前半からボールへ強く出られるか
  • サイドを使った後、クロスとエリア内の入り方が合うか
  • 先に失点した後、攻め急ぎと保持のバランスを保てるか
  • 鳥山、夏川、森村俊太ら出場機会を得た選手が数字を残せるか
  • 「内容は悪くない」で終わらず、1点を取って試合を動かせるか

FC大阪は、勝ち方を忘れたというより、勝ち切るための細部を落としている。次に必要なのは大きな言葉ではなく、一本のクロス、一本のシュート、失点直後の一つの判断を、勝点に変えることだ。

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