MENU

藤枝MYFCはなぜ勝ち切れないのか 4連敗の中身を数字と配置で読む

藤枝MYFCはなぜ勝ち切れないのか 4連敗の中身を数字と配置で読む

藤枝MYFCの失速は、守備が完全に崩れたからではない。いま表れているのは、試合を動かす時間帯に2点目を取れないことと、追いつかれたあとの試合運びで主導権を戻し切れないことだ。

5月6日の福島ユナイテッドFC戦で藤枝は先制しながら1-1、PK戦で敗れて4連敗。もっとも、4試合のうち90分で黒星だったのは札幌戦だけで、大宮、長野、福島には引き分けている。内容まで一括りにして「総崩れ」と見ると、いまの問題点を見失う。

  • 直近4試合は4連敗だが、90分では1敗3分
  • 4月25日の大宮戦はゴール期待値1.78でPK負け、5月6日の福島戦も1.75でPK負け
  • 一方で5月2日の長野戦は枠内シュート1本、ゴール期待値0.70と攻撃が細った
  • シーズン平均ではシュート12.4本に対し得点1.2点、シュート成功率9.7%はリーグ26位
目次

まず何が起きているのか

藤枝は5月6日時点でEAST-Bの5位。勝点24、15試合で18得点17失点と、順位表だけ見れば上位圏に踏みとどまっている。ただし直近は結果が急に細った。

  • 4月25日 大宮戦: 1-1、PK3-5負け
  • 4月29日 札幌戦: 1-2負け
  • 5月2日 長野戦: 0-0、PK3-4負け
  • 5月6日 福島戦: 1-1、PK3-4負け

ここがポイント: 問題は「毎試合押し込まれて負けている」ことではなく、押し込めた時間を勝点3に変えられていないことだ。

特に大宮戦と福島戦は、藤枝にも十分に勝ち筋があった。Jリーグ公式記録やdメニュースポーツのテキスト速報を見ると、大宮戦は藤枝のゴール期待値が1.78で相手の1.08を上回り、福島戦も19本のシュートを放ちながら1点止まりだった。

勝ち切れない理由1 チャンス量に対してゴールが足りない

シーズン全体の数字でも傾向ははっきりしている。Football LABのシーズンサマリーでは、藤枝の平均シュート数は12.4本でリーグ16位、ペナルティエリア進入は10.7回で12位。攻撃の入口までは作れている。

それでも得点は1試合平均1.2点で19位、シュート成功率は9.7%で26位。運ぶ回数に対して、仕留める精度が低い

右から前進できても、最後の一手が薄い

チームスタイルでは、藤枝は右サイド攻撃の指数が高い。中村優斗、浅倉廉、岡澤昂星らが前進の起点になり、ドリブル数もリーグ4位と特徴は明確だ。

ただ、その前進がそのまま高確率のフィニッシュに結びついていない。長野戦は10本打って枠内1本、ゴール期待値0.70。押し込んでも、相手の最終ラインをずらし切る縦パスや、逆サイドまで使った仕上げが不足すると、シュートは増えても得点は伸びない。

大宮戦で真鍋隼虎がこぼれ球を仕留め、福島戦で中村優斗が個人で運んで決めたように、今の藤枝は個の質で1点は取れても、2点目をチームで積み上げる形が細い

勝ち切れない理由2 先に動かした試合で失点が重い

守備のシーズン平均を見れば、藤枝は極端に失点が多いチームではない。Football LABでは被ゴール1.1、被シュート成功率9.0%で、ともに壊滅的ではない数字だ。

それでも連敗中は、失点のタイミングが痛い。

  • 札幌戦は前半14分にバックパス絡みのミスから先制を許した
  • 同戦は1-1に追いついた直後の終盤、PKで決勝点を与えた
  • 福島戦は前半終了間際のPKで同点にされ、先制の価値を消された
  • 大宮戦も65分に先制しながら82分に追いつかれた

札幌戦後、槙野智章監督は「安すぎる失点でゲームがぶち壊しになった」と振り返った。福島戦後にも「最後の質がまだまだ」と話しており、失点と決定力の両方を課題に挙げている。実際、いまの藤枝は90分を通じて劣勢というより、勝負どころの数分で試合を手放している

槙野監督のチームに起きているズレ

槙野体制の藤枝は、運ぶ意識とボールを前に出す姿勢を失ってはいない。中村優斗が攻撃ポイントトップ、真鍋隼虎が4得点、菊井悠介と松木駿之介、三木仁太も得点に絡み、得点源が1人に偏り切っていないのは長所だ。

ただ、その分だけ「誰が最後を締めるのか」が曖昧になりやすい。ストライカー型が少ない局面では、クロスの受け手、こぼれ球の回収役、2列目の飛び込みが同時に噛み合わないと、押しているのに1点で止まる。

福島戦の戦評でも、先制後に追加点を奪えず、リードを守り切れなかった前半が悔やまれると整理された。いまの藤枝に必要なのは、スタイルを大きく変えることより、先制後にどこから2点目を取るかを明確にすることだろう。

次に見るべきポイント

次節の松本山雅FC戦へ向けて、焦点は絞られている。

  • 先制後に前線をどう入れ替え、2点目の形を増やすか
  • 中村優斗と浅倉廉の前進を、中央のフィニッシュへどうつなぐか
  • 終盤に無理なプレーを減らし、同点で止める守備の整理ができるか
  • PK負けが続いた流れを、90分決着の白星で断ち切れるか

4連敗という見出しは重い。それでも中身を追うと、藤枝はすべてを失ったわけではない。むしろ、勝ち筋が見えていた試合を落としたからこそ痛い。次の松本戦で問われるのは内容の言い訳ではなく、作った流れをどうやって3ポイントに変えるかだ。

参照リンク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次