日本はチュニジアの混乱を突けるか 森保ジャパン第2戦プレビュー
日本にとって、チュニジア戦の核心ははっきりしている。オランダ戦の2-2で得た勝ち点1を、グループ突破へ近づく勝ち点3に変えられるかだ。
相手のチュニジアは初戦でスウェーデンに1-5と大敗し、その後に監督交代が報じられた。守備の修正を急ぐ相手に対し、日本は焦って押し切るより、前半から相手の配置と心理を揺さぶり続けたい。
- 試合はグループF第2戦、チュニジア対日本
- 会場はメキシコのエスタディオ・モンテレイ
- 日本は初戦でオランダと2-2の引き分け
- チュニジアは初戦でスウェーデンに1-5で敗戦
- 勝敗を分けるのは、日本のサイド攻略とカウンター管理
基本情報 グループFの第2戦は何が懸かるか
この一戦は、単なる「勝てそうな相手」と見るべき試合ではない。日本が主導権を握れる時間は長くなる可能性がある一方で、チュニジアは追い込まれた状態だからこそ割り切った戦い方に振ってくる。
| 大会 | 2026 FIFAワールドカップ |
|---|---|
| カード | チュニジア vs 日本 |
| ラウンド | グループF 第2戦 |
| 日程 | 2026年6月20日 |
| 会場 | エスタディオ・モンテレイ |
| 日本の初戦 | オランダ 2-2 日本 |
| チュニジアの初戦 | スウェーデン 5-1 チュニジア |
グループFはオランダ、日本、スウェーデン、チュニジアの組み合わせ。48チーム制の今大会では各組上位2チームに加え、3位の一部もラウンド32へ進むため、第2戦の勝ち点は順位だけでなく得失点差にも直結する。
日本はオランダ戦で2度追いついた。ビルドアップの安定、途中からの押し返し、セットプレー絡みで最後まで得点を取りに行けた点は前向きだ。一方で、先に失点してから試合を追う展開になったことは、チュニジア戦で繰り返したくない。
ここがポイント: 日本は「勝つべき試合」として入りすぎるより、相手の反発力を受け止めながら、早い時間帯に守備の基準を乱すことが重要になる。
チュニジアはどんな状態で日本戦に来るのか
チュニジアの最大の注目点は、初戦の大敗そのものより、その後のチーム状態だ。スウェーデン戦で5失点した直後に監督交代が報じられ、準備期間は短い。
守備の再構築は間に合うか
スウェーデン戦のチュニジアは、失点数だけでなく、相手の前線に主導権を渡したことが重かった。アレクサンデル・イサク、ヴィクトル・ギェケレシュ、ヤシン・アヤリらに得点を許し、前から奪いに行くのか、後ろで耐えるのかが曖昧になった時間帯があった。
日本が見るべきなのは、チュニジアが次のどちらを選ぶかだ。
- 失点を避けるために、ラインを下げて中央を固める
- 勝ち点3が必要な状況から、前半のどこかで強く前へ出る
- 監督交代を受け、守備ブロックとカウンターに絞る
日本は相手が低く構えた場合、無理な中央突破だけに頼ると詰まる。左右の幅、ハーフスペースへの侵入、逆サイドへの展開を繰り返し、相手の守備ラインを横に動かす必要がある。
新監督効果は短期戦では読みづらい
報道では、チュニジアはサブリ・ラムシ監督の退任後、エルヴェ・ルナール氏の就任が伝えられている。ルナール氏は代表チームを短期間で整える経験が豊富で、2022年大会ではサウジアラビアを率いてアルゼンチンに勝利した実績もある。
ただし、日本戦までの時間は限られる。大きな戦術変更というより、まずは守備の距離感、球際、カウンターの出口を整理してくると見るのが自然だ。
日本にとって厄介なのは、チュニジアが内容より結果を優先し、試合を細かく切りながら1点勝負に持ち込む展開である。
日本の勝ち筋 幅を使いながら焦らず押し込む
日本が勝つための第一条件は、試合をオープンにしすぎないことだ。チュニジアが初戦で大敗したからといって、前半から人数をかけすぎると、逆に相手のカウンターに助け舟を出す。
サイドで優位を作り、中央を最後に使う
オランダ戦で日本は、相手に先行されても攻撃の形を失わなかった。チュニジア戦ではその粘りに加えて、先制点を取りに行く設計が必要になる。
特に重要なのは、次の3点だ。
- サイドで1対1を作り、相手のサイドバックやウイングバックを下げる
- 中央の守備者を引き出してから、ペナルティーエリア脇を使う
- クロスだけで終わらせず、こぼれ球を拾う位置に人数を残す
チュニジアが中央を閉じるなら、日本は外から動かす。外で動かして、最後に中央を使う。ここを逆にすると、相手の密集にボールを預けるだけになる。
カウンター管理は攻撃の一部
日本が押し込む時間に最も注意したいのは、ボールを失った直後だ。チュニジアは劣勢でも、前線の選手が一度背後を取れば試合の空気を変えられる。
そのため、センターバックとボランチの距離、サイドバックの上がり方、逆サイドの絞りは攻撃の一部として扱いたい。攻めている時ほど、次の守備が整っているかが問われる。
日本が避けたいのは、優勢なのにカウンター1本で先に失点する展開だ。オランダ戦のように追いつく力は示したが、第2戦で同じ入り方を選ぶ必要はない。
注目選手と起用の見どころ
試合前の公式スタメンは未発表であり、最終的な出場可否は当日のメンバー表を待つ必要がある。そのうえで、日本側はオランダ戦で得点に関わった選手と、相手を押し込むためのサイドの選択が焦点になる。
日本側 得点の再現性をどう作るか
オランダ戦では中村敬斗と鎌田大地が得点者として名前を残した。重要なのは、単に「誰が決めたか」ではなく、得点につながる位置に日本の選手が入れていたことだ。
チュニジア戦では、次の役割分担が見どころになる。
- 鎌田大地: 中央とペナルティーエリア付近で相手の守備基準をずらす
- 中村敬斗: 左サイドから縦と内側の選択肢を持つ
- 久保建英、堂安律ら攻撃的MF候補: 狭い局面で前を向く回数を増やす
- 遠藤航ら中盤の選手: 攻撃後の回収とカウンター封じを担う
三笘薫の大会不在が報じられているなか、日本は左サイドの突破力を一人に依存しない形で補う必要がある。中村の仕掛け、内側のサポート、逆サイドへの展開がセットになれば、チュニジアの守備は後手に回りやすい。
チュニジア側 スキリとメイブリを自由にさせない
チュニジアでは、エリス・スキリやハンニバル・メイブリのように中盤でボールを受けられる選手が鍵になる。日本は相手の前線だけでなく、そこへボールを届ける中盤の出口を消したい。
特にメイブリに前を向かせると、ファウルを誘われたり、サイドへ展開されたりする。日本の中盤は、奪い切る守備と遅らせる守備を使い分ける必要がある。
試合展開の予想 日本が押し込むほど我慢が必要になる
展開としては、日本がボールを持つ時間を増やし、チュニジアが守備を固めてカウンターを狙う形がまず想定される。ただし、チュニジアは初戦で大きく得失点差を落としているため、どこかで勝ちに出る時間帯も必要になる。
前半の焦点
日本は前半15分で相手の出方を見極めたい。チュニジアが前から来るなら、背後とサイドチェンジ。低く構えるなら、ボールを動かしながら相手の中盤を横にずらす。
早い時間に得点できれば理想だが、無得点の時間が続いても崩れてはいけない。焦ってクロスを増やしすぎると、相手に守りやすいリズムを与える。
後半の焦点
後半は交代策が重くなる。日本が同点またはリードしている場合、追加点を狙いながらも中盤の強度を落とさないことが大切だ。逆に先制された場合は、オランダ戦で見せた修正力をもう一度使うことになる。
ただ、チュニジア戦で本当に欲しいのは「追いつく力」より「先に動かす力」だ。日本が先制すれば、チュニジアは前に出ざるを得なくなり、背後のスペースも広がる。
メディアやファンの見方 楽観と警戒の間にある試合
海外メディアでは、日本はグループFで突破候補の一角として扱われている。一方で、チュニジアは初戦の大敗と監督交代により、評価が不安定になっている。
日本のサポーター目線では、次のような見方が並びやすい。
- オランダ戦の粘りを見れば、チュニジア戦は勝ち切りたい
- 監督交代直後の相手は読みにくく、入り方が難しい
- 得失点差を考えると、勝つだけでなく内容も重要
- ただしワールドカップでは「楽な第2戦」は存在しない
ここで大事なのは、チュニジアの混乱を過小評価しないことだ。混乱しているチームは崩れることもあるが、短期的には守備と気迫だけに整理され、かえって割り切った相手になることもある。
日本代表にとっての意味 突破へ近づく試合か、難しくする試合か
日本がこの試合で勝てば、オランダ戦の勝ち点1は大きな価値を持つ。第3戦のスウェーデン戦に向けて、順位、得失点差、選手起用の選択肢を広げられる。
逆に引き分け以下なら、最終戦の圧力は一気に増す。スウェーデンは初戦でチュニジアに大勝しており、得失点差の面でも日本にとって無視できない相手になる。
日本が見るべきポイントは明確だ。
- 前半に相手の守備を動かせるか
- 押し込んだ後のカウンター管理を崩さないか
- セットプレーで先に失点しないか
- 交代選手が試合のテンポを上げられるか
- 勝ち点3と得失点差の両方を意識できるか
チュニジア戦は、格上に食らいつく試合ではない。日本が自分たちで試合を動かし、相手の反発を受け止めながら勝ち切る試合だ。ここで主導権を握れるかどうかが、グループF突破だけでなく、ラウンド32以降で日本がどこまで主体的に戦えるかを測る材料になる。
