水戸ホーリーホック夏季キャンプ総括 2拠点21日間で見えた「守備の基準」と根本凌の決定力
水戸ホーリーホックは、2026/27シーズンに向けて群馬県嬬恋村と宮崎県綾町を巡る2段階・計21日間の夏季キャンプを実施した。
最大の実戦材料は、7月16日のトレーニングマッチだ。徳島ヴォルティスとの2本では0-1。宮崎産業経営大学と対戦した3本目は、背番号9の根本凌が3得点を挙げて3-0だった。
一方で、出場メンバーや各選手のプレー内容は非公表。根本の決定力は明確な収穫だが、徳島戦で得点できなかった事実も含め、キャンプの評価は開幕後の公式戦まで持ち越される。
この記事で分かること
- 嬬恋村と綾町で行われたキャンプの日程と公開範囲
- 45分×3本のトレーニングマッチで確認できた結果
- 0-1と3-0を一括りにできない理由
- 2026/27明治安田J1リーグ開幕後に見るべきポイント
2拠点を使った21日間、前半と後半で公開範囲に変化
今回のキャンプは、嬬恋村で練習量を確保し、綾町で実戦と非公開調整を重ねる構成だった。
水戸は7月2日に城里町七会町民センター「アツマーレ」で始動。3日後に群馬県へ移動し、一次キャンプに入った。
一次キャンプ:群馬県嬬恋村
- 期間:2026年7月5日(日)〜11日(土)
- 会場:嬬恋村運動公園 陸上競技場
- 7月5日:移動
- 7月6日〜8日:午前・午後とも公開トレーニング
- 7月9日〜10日:午前公開、午後非公開
- 7月11日:午前非公開、午後移動
序盤3日間は午前、午後とも公開された。その後は午後を非公開に切り替え、最終日のトレーニングも非公開としている。
クラブは具体的な練習メニューを公表していない。このため戦術や配置の変化までは断定できないが、公開範囲だけを見れば、キャンプが進むほど外部に見せない時間が増えた。
二次キャンプ:宮崎県綾町
- 期間:2026年7月13日(月)〜25日(土)
- 会場:綾町小田爪運動公園
- 7月13日:移動
- 7月14日〜18日:公開練習と非公開練習を組み合わせて実施
- 7月16日:徳島ヴォルティス、宮崎産業経営大学との公開トレーニングマッチ
- 7月19日:午前・午後とも非公開
- 7月20日:オフ
- 7月21日:午前公開、午後非公開
- 7月22日:午前はKUROKIRI STADIUMで公開、午後非公開
- 7月23日〜24日:午前・午後とも非公開
- 7月25日:移動
二次キャンプでは、公開された午前練習の後に午後を非公開とする日が多かった。終盤の7月23日、24日は終日非公開だ。
ここがポイント: 公開日数の多さだけでキャンプの狙いは判断できない。水戸が開示した範囲で最も具体的に評価できる材料は、7月16日のトレーニングマッチ結果である。
徳島戦0-1、大学戦3-0が示した二つの評価軸
実戦では、守備が大きく崩れなかった一方、相手の水準が上がったときの得点力が課題として残った。
7月16日、いちご宮崎新富サッカー場で45分×3本のトレーニングマッチが行われた。公式発表の内訳は次の通りだ。
- 1本目:水戸ホーリーホック 0-0 徳島ヴォルティス
- 2本目:水戸ホーリーホック 0-1 徳島ヴォルティス
- 3本目:水戸ホーリーホック 3-0 宮崎産業経営大学
- 3本目の得点者:根本凌が3得点
「3本合計3-1」とまとめてはいけない
3本は同じ相手との連続試合ではない。最初の90分相当は徳島、最後の45分は宮崎産業経営大学との対戦だった。
したがって、全体を単純に「3-1の勝利」と評価すると内容を誤る。整理すべき事実は明快だ。
- 徳島との90分相当では無得点、1失点
- 宮崎産業経営大学との45分では3得点、無失点
- 公表された3本を通じた失点は1
- 得点はすべて根本凌が記録
守備面では、徳島を相手に最初の45分を無失点で終え、2本を通じても失点は一つだった。ところが攻撃は無得点。Jリーグクラブを相手に、どのように決定機を増やすかという論点は残った。
根本凌の3得点は収穫、ただし評価には次の材料が必要
根本が45分間で3得点を挙げたことは、キャンプで確認できた最も具体的な個人成果だ。短い時間に得点を集中させた結果は、ゴール前で仕事を果たした事実として重い。
ただし、クラブは出場メンバーを公表していない。誰と組み、どの位置から得点し、どのような形でチャンスが生まれたのかは分からない。根本以外の選手を含む序列やポジション争いも、この結果だけでは判断できない。
見るべきなのは次の段階だ。
- 根本がJ1の相手に対しても得点機会を確保できるか
- 特定の選手だけでなく、複数の選手に得点が分散するか
- 無得点だった徳島戦と比べ、公式戦で攻撃の再現性が高まるか
ハットトリックは答えではなく、開幕後に検証すべき基準を示した。
樹森大介監督のもとで問われるのは開幕への接続
キャンプの成否は練習量ではなく、樹森大介監督が21日間の積み上げをJ1の公式戦へどう接続するかで決まる。
クラブが7月1日に発表した2026/27シーズンのスタッフ体制では、樹森大介監督が引き続き指揮を執る。キャンプにはフィジカルコーチ、スプリントコーチ、コーチ兼チーフアナリストなども帯同するトップチーム体制が組まれている。
今回の公式案内には、監督や選手によるキャンプ総括のコメントは掲載されていない。また、非公開練習の内容やトレーニングマッチの出場メンバーも明らかにされなかった。
そのため、戦術変更や主力争いを推測で埋めることはできない。確認できる構造は、次の三つに限られる。
- 始動から3日後に一次キャンプへ入り、早い段階でまとまった練習期間を確保した
- 二次キャンプでは公開練習と非公開練習を交互に配置し、実戦も組み込んだ
- 終盤2日間を終日非公開とし、帰県後は開幕準備へ移った
キャンプ後の7月29日には、水戸信用金庫スタジアムで公開トレーニングとホームゲーム運営シミュレーションを行うとクラブが告知した。チーム強化と同時に、新しいホーム開催環境の確認も開幕準備の一部になっている。
公開練習を見学する際の注意点
公開予定であっても、当日の天候やチーム事情で変更される可能性がある。
クラブはキャンプ期間中、練習や試合の写真・動画撮影を禁止し、練習内容や参加選手をインターネット上で公開しないよう求めた。指定場所以外からの見学もできない。
また、スケジュールは急きょ変更される場合があり、雨天時などには直前に見学中止となる可能性もある。今後の公開練習へ足を運ぶ場合も、出発前にクラブ公式サイトや公式Xで最新情報を確認したい。
ファンサービスについても、実施場所と時間が定められる。移動中の駅や空港、宿泊施設、駐車場付近で選手を待つ行為は控える必要がある。
開幕後に確認したい三つのポイント
最初の判断材料になるのは、8月15日のガンバ大阪戦を含むJ1序盤戦だ。
水戸は2026/27明治安田J1リーグをアウェーの柏レイソル戦でスタートし、8月15日(土)18時から水戸信用金庫スタジアムでガンバ大阪とのホーム開幕戦を迎える。続く第3節は京都サンガF.C.とのアウェーゲームだ。
キャンプ後に見るべきポイントは絞られる。
- 守備の持続性:徳島戦で1失点に抑えた結果を、J1の90分間でも維持できるか
- 得点経路の拡張:根本凌の決定力を生かしつつ、別の選手や異なる攻撃パターンからも得点できるか
- 非公開期間の成果:終盤に詰めた内容が、先発構成、交代策、試合終盤の強度にどう表れるか
キャンプでは、守備の最低ラインと根本の得点という二つの材料が残った。ただし、徳島から得点を奪えなかった事実も消えない。
次に確認すべき場面は練習場ではなくJ1のピッチだ。柏、ガンバ大阪、京都との序盤3試合で得点者が広がるか。そして、90分を通じて失点を抑えられるか。そこに21日間のキャンプの実効性が表れる。
参照リンク
- 水戸ホーリーホック公式「2026/27シーズン トップチーム始動スケジュールについて《6/26情報更新》」(2026年6月26日)
- 水戸ホーリーホック公式「2026/27シーズン トップチームキャンプのご案内《7/21情報更新》」(2026年7月21日)
- 水戸ホーリーホック公式「トレーニングマッチ vs. 徳島ヴォルティス・宮崎産業経営大学 試合結果」(2026年7月16日)
- 水戸ホーリーホック公式「2026/27シーズン トップチームスタッフ体制のお知らせ」(2026年7月1日)
- 水戸ホーリーホック公式「2026/27明治安田J1リーグ 開幕カード決定」(2026年6月13日)
- 水戸ホーリーホック公式「水戸信用金庫スタジアム公開トレーニングおよびホームゲーム運営シミュレーション」(2026年7月28日更新)
- 水戸ホーリーホック公式「8月15日G大阪戦 ホーム開幕戦チケット販売スケジュール」(2026年7月1日)
- 綾町公式「2026夏季スポーツキャンプの日程」(2026年7月3日更新)










