讃岐vs長野プレビュー:第1戦勝利同士、鍵は先制点より「次の1点」
カマタマーレ讃岐とAC長野パルセイロは、2026年6月5日(金)19時から四国化成MEGLIOスタジアムで対戦する。明治安田J2・J3百年構想リーグのプレーオフラウンド第2戦だ。
第1戦で讃岐はギラヴァンツ北九州に3-1で勝利。長野は栃木SCと0-0のままPK戦に入り、3-5で勝ち上がった。つまり、この試合は単なる「第2戦」ではなく、37-40位決定戦の上位側を決める一戦になる。
- 試合日程:2026年6月5日(金)19:00キックオフ
- 会場:四国化成MEGLIOスタジアム
- 讃岐の第1戦:讃岐 3-1 北九州
- 長野の第1戦:栃木SC 0-0 長野、PK 3-5
- 見どころ:讃岐の得点力回復と、長野の粘り強い守備がぶつかる
この試合の核心は、先制点そのものよりも、その後にどちらが試合を落ち着かせられるか。 讃岐は複数得点で勝った勢いを持ち、長野は無失点とPK戦勝利で粘りを示した。試合の温度を上げる讃岐か、我慢比べに持ち込む長野か。そこが分かれ目になる。
まず押さえたい事実関係
地域リーグラウンドの数字を見ると、両チームはともにグループ10位でプレーオフに入った。
讃岐はWEST-Aで10位。18試合を終えて勝点19、14得点32失点、得失点差は-18だった。長野はEAST-Bで10位。18試合で勝点16、15得点33失点、こちらも得失点差は-18となっている。
数字だけなら、どちらも失点の多さに苦しんだチーム同士だ。ただし第1戦では、見え方が分かれた。
- 讃岐:3得点を奪い、前半2-0から後半も1点を追加
- 長野:90分で得点はなかったが、無失点でPK戦まで運んだ
- 共通点:地域ラウンドでは守備面に課題を残した
- 違い:第1戦で讃岐は攻撃、長野は耐える力を結果につなげた
ここがポイント: 地域ラウンドの成績だけで見ると両チームとも苦しい数字だが、第1戦の勝ち方はまったく違う。讃岐は前に出る根拠を、長野は崩れない根拠を手にして第2戦へ向かう。
讃岐は「3点取った後」の振る舞いが問われる
讃岐にとって、北九州戦の3-1は大きい。地域ラウンド18試合で14得点だったチームが、プレーオフ初戦で3点を奪ったからだ。
公式サイトの登録選手を見ると、讃岐はFW90後藤優介、FW11佐野竜眞、FW22大野耀平、FW77村上悠緋ら複数の前線候補を抱える。第1戦後にはクラブ公式で後藤優介とMF5國分将のコメントも掲載されており、攻撃と中盤の選手が結果後の発信に並んだこと自体、チームの重心を読む材料になる。
ただし、3得点の再現だけを狙うと危うい。
讃岐の地域ラウンドは32失点。第1戦でも1失点している。長野が立ち上がりから無理に前へ出てこない場合、讃岐はボールを持つ時間が増える可能性がある。その時に重要なのは、急いで縦へ入れることより、失い方を管理することだ。
讃岐の注目ポイント
- FW90後藤優介:前線で時間を作れるか。攻撃が単発にならないための基準点になる
- MF5國分将:中盤で試合の速度を調整できるか。長野のカウンターを受ける前の整理役
- DF3井林章、DF29田尾佳祐ら守備陣:長野の少ないチャンスを大きなピンチにしない対応が必要
讃岐が勝つ展開は、早い時間に相手を押し込み、追加点を焦らずに試合を進める形だろう。逆に、前半からオープンな打ち合いになると、地域ラウンドで積み残した守備の課題が再び表に出やすい。
長野は無失点の手応えをどう攻撃に変えるか
長野は第1戦で栃木SCを90分間無得点に抑えた。地域ラウンド33失点のチームにとって、この無失点は軽くない。
一方で、0-0からPK戦勝利という結果は、攻撃面の課題もそのまま残した。地域ラウンドの15得点は讃岐より1点多いだけで、爆発力で押し切るタイプの数字ではない。小林伸二監督の下で、まず試合を壊さず、勝負どころを待つ選択は現実的な線になる。
公式のトップチーム選手一覧では、長野の前線にFW11進昂平、FW9大﨑舜、FW18吉澤柊、FW51清水蒼太朗らが登録されている。中盤にはMF28藤川虎太朗、MF17忽那喬司、MF5長谷川雄志などが並ぶ。
長野が讃岐を苦しめるなら、狙いははっきりしている。
- 讃岐のビルドアップ時に無理な縦パスを誘う
- 奪った直後、FWに早く当てて陣地を回復する
- セットプレーや二次攻撃で少ない好機を得点に結びつける
- 終盤まで同点で進め、讃岐側に焦りを出させる
長野は第1戦でPK戦を制した。これは単なる運ではなく、最後まで試合を閉じない集中力の証明でもある。ただし、第2戦で同じように0-0を狙うだけでは、ホームの讃岐に押し込まれる時間が長くなる。守備の粘りを、どのタイミングで前進に変えるかがテーマになる。
勝敗を分ける3つのポイント
このカードは、派手な攻撃力の比較よりも、ミスの後処理と試合の温度管理が重要になる。
1. 讃岐が先に得点した後の5分
讃岐が先制すれば、スタジアムの空気は一気にホーム側へ傾く。そこで長野がすぐ反撃に出るのか、いったんブロックを整えるのか。逆に讃岐が前のめりになりすぎると、次の1点を長野に渡す危険がある。
先制後の5分は、試合の流れを決める時間帯になりやすい。
2. 長野の最初の決定機
長野は第1戦で無得点だった。だからこそ、最初の大きなチャンスを逃すと、攻撃陣に重さが出る可能性がある。
FW進昂平や大﨑舜ら前線の選手が、少ない回数でシュートまで行けるか。讃岐の守備陣にとっては、長野の1本目の決定機をどう処理するかが大きい。
3. セットプレーの守備
両チームとも地域ラウンドでは失点数が多かった。流れの中だけでなく、CK、FK、ロングスローに近い局面など、止まったボールからの守備は勝敗に直結する。
特に長野は、押し込まれる時間が長くなった場合でもセットプレーで一気に流れを変えられる。讃岐は不用意なファウルを避けたい。
予想される試合展開
序盤は讃岐がボールを持つ時間を作り、長野が守備の距離感を確認する入り方になりそうだ。ホームで第1戦3得点の讃岐が主導権を握りに行くのは自然だが、長野はそこで慌てず、まず失点しない時間を伸ばしたい。
試合が動くとすれば、前半の中盤以降。讃岐がサイドから押し込み、クロスや折り返しで長野の最終ラインを揺さぶれるか。長野は奪った後の1本目のパスで前線を使えれば、讃岐の守備を後ろ向きにできる。
予想の軸はこうだ。
- 讃岐が前半に得点すれば、2点目をめぐる展開になる
- 0-0が長く続けば、長野の粘りが効いてくる
- 終盤に同点なら、PK戦を勝ち切った長野の経験が心理面で働く
- 讃岐は追加点、長野は先に1点を取る局面設計が重要
スコア予想としては、讃岐がホームで攻め切るなら2-1。長野が第1戦の無失点感覚を持ち込めば1-1から再び長い勝負になる可能性もある。どちらにしても、地域ラウンドの順位ほど差があるカードではない。
両チームの見るべき選手
注目選手は、得点者探しだけでなく、試合の形を作る役割で見たい。
カマタマーレ讃岐
- 後藤優介(FW90):前線でボールを収め、味方の押し上げを待てるか
- 國分将(MF5):中盤でリズムを作り、攻守の切り替えを整えられるか
- 井林章(DF3):長野のカウンターやセットプレーに対する守備対応
AC長野パルセイロ
- 進昂平(FW11):長野が少ないチャンスを得点に変えるための前線の軸
- 藤川虎太朗(MF28):中盤から前線へ推進力を出せるか
- 田尻健(GK1)または中野小次郎(GK21)らGK陣:讃岐の勢いを止める最初の防波堤
出場可否や先発は試合当日の公式発表を待つ必要がある。だからこそ、名前だけでなく、誰がどの役割を担うかに注目したい。
最後に残る争点
讃岐は第1戦の3得点を「たまたまの爆発」にしないこと。長野は第1戦の無失点を「守っただけ」にしないこと。第2戦の勝者は、そのどちらかをピッチ上で証明するチームになる。
試合前に見るべきポイントは、次の3つに絞れる。
- 讃岐が主導権を握った時、カウンター対策まで整っているか
- 長野が守備から攻撃へ出る最初のパスを通せるか
- 終盤まで接戦になった時、交代カードで流れを変えられるか
6月5日のメグスタでは、順位表の下位同士という見方だけでは足りない。第1戦で違う勝ち方をした2チームが、最後にどちらの型を信じ切れるか。その答えが、第2戦のスコアに出る。
