讃岐0-3滋賀、支配率56%でも届かなかったゴール――枠内シュート3対8が示す差
前半40分に先制し、後半開始直後の46分に追加点。レイラック滋賀FCは、ハーフタイムを挟む二つの得点でカマタマーレ讃岐を突き放した。2026年9月5日の明治安田J3リーグ第5節は、滋賀が敵地で3-0の勝利を収めた。
ボール支配率では上回った讃岐に、なぜ3点差がついたのか。数字から考えられる中心的な要因は、ボールを持つ時間よりも、シュートを枠内へ届ける割合に差があったことだ。シュート数は16対18だったが、枠内シュートは3対8。さらに滋賀は、交代出場の竜田柊士が75分に得点した。
- 讃岐は支配率56%、パス成功率80%を記録したが無得点。
- 滋賀は18本のシュートのうち8本を枠内に送り、3得点。
- 前半終了間際と後半開始直後の得点に続き、途中出場選手が点差を広げた。
試合結果と主要データ――保持では讃岐、枠内シュートでは滋賀
両チームの差が大きく表れたのは、シュート総数より枠内シュート数だった。
- 大会:2026/27明治安田J3リーグ 第5節
- 開催日:2026年9月5日
- 会場:四国化成MEGLIOスタジアム
- 最終スコア:カマタマーレ讃岐 0-3 レイラック滋賀FC
- 40分:レイラック滋賀FCの鍋田純志が得点。
- 46分:レイラック滋賀FCの北條真汰が得点。
- 75分:レイラック滋賀FCの竜田柊士が得点。
| 指標 | カマタマーレ讃岐 / レイラック滋賀FC |
|---|---|
| 得点 | 0 / 3 |
| シュート数 | 16 / 18 |
| 枠内シュート数 | 3 / 8 |
| ボール支配率 | 56% / 44% |
| パス成功率 | 80% / 75% |
| コーナーキック | 4 / 8 |
試合結果、得点経過、交代、警告、主要データの出典は、Jリーグ公式の試合ページ。22分:カマタマーレ讃岐の禹相皓に警告。
37分:レイラック滋賀FCの日野友貴に警告。
両チームとも退場者はいなかった。公式の先発表では、讃岐は青木心、宮﨑慎、イ ギサン、林田魁斗、國分将、宇都木峻、上野輝人、禹相皓、後藤優介、佐野竜眞、村上悠緋。滋賀は本吉勇貴、西山大雅、小泉隆斗、白石智之、鍋田純志、中村健人、三宅海斗、ロメロ フランク、北條真汰、坂元一渚璃、日野友貴が先発した。
16本で無得点と18本で3得点――差はシュートの最後に表れた
讃岐の課題は、シュート本数の不足だけでは説明できないと考えられる。
公式の本数から計算すると、シュートに占める枠内シュートの割合は讃岐が18.8%、滋賀が44.4%。シュート総数の差は2本だが、枠内では5本の差がついた。得点をシュート数で割った割合は、讃岐が0%、滋賀が16.7%となる。いずれも小数第1位に丸めた値だ。
この比較からは、滋賀が単に多く打っただけでなく、ゴールの枠へ到達するシュートをより多く残したことが、勝敗を考える手掛かりになる。讃岐にも16本という攻撃の終着点はあった。ただし、枠内に届いたのは3本だった。
「決定力の差」だけで片づけられない理由
枠内に届くかどうかは、最後に蹴る選手の技術だけで決まるものではない。シュート位置や角度、相手の寄せ、打つ前のパスの質によっても変わる。
今回の集計だけでは、讃岐が難しい位置から多く打ったのか、滋賀が守備でコースを狭めたのか、それとも好機で枠を外したのかまでは特定できない。枠内シュートの差を、そのまま選手個人の決定力の差と評価するのは早い。
それでも、改善の焦点は絞れる。讃岐には、16本をさらに増やすことと同時に、枠内3本をどう増やすかという検討が必要だと考える。シュート直前に味方の支援があったか、守備者を動かしてから打てたかを見れば、最後のキックだけを責めずに攻撃を振り返れる。
滋賀の守備も、相手を無得点に抑えた成果と16本のシュートを許した事実を合わせて評価したい。危険なシュートを抑えた結果なのか、相手のミスにも助けられたのかは、シュート位置などの裏付けが必要になる。
支配率56%が勝利につながらなかった理由
讃岐の保持の優位は、ゴールを脅かす回数の優位には結びつかなかったと考えられる。
讃岐は支配率56%、パス成功率80%で、滋賀の44%、75%を上回った。一方、滋賀はシュート、枠内シュート、コーナーキックで讃岐を上回っている。
この組み合わせは、ボールを失わずにつなぐことと、相手ゴールへ迫ることを分けて考える必要を示している。パス成功率は、どこで、どの方向へ通したかまでは表さない。安全な位置での横パスと、守備ラインを越える縦パスを、成功という点では同じように数えるからだ。
ただし、讃岐が安全なパスに終始したと断定できるわけではない。今回の数字から確実に比較できるのは、保持に関する数値の高さと、シュートを枠内へ届けた本数が一致していないことまでだ。
先制後のスコアも支配率を読む鍵になる
滋賀は40分に先制し、46分には2点をリードした。試合全体の支配率には、その後に讃岐が追いかける時間も含まれている。
そのため、滋賀の支配率44%を「ボールを奪えなかった」と評価することも、讃岐の56%を「試合を支配した」と評価することも慎重でありたい。リードした側が相手に保持を許し、追う側がボールを持つ展開だった可能性もある。
公式速報には途中の累積シュート数や直近15分の保持率もあるが、その数値だけで監督の意図は確定できない。同じ理由で、滋賀の3得点をすべてカウンターの成果と説明することもできない。
勝負を動かしたのは、立て直す時間を挟んだ連続得点
得点のタイミングでは、滋賀が讃岐の後半の立て直しに先んじたことが重要だったと考えられる。
滋賀は40分に鍋田純志が先制。讃岐はハーフタイムに宇都木峻を下げ、牧山晃政を投入した。その直後の46分に北條真汰が追加点を挙げ、スコアは0-2となった。
讃岐にとっては、選手を入れ替えて迎えた後半の早い段階で、必要な得点数が増えたことになる。交代の狙いや失点の責任は記録だけでは分からないが、立て直しの結果を得点として示す前に、滋賀が点差を広げた経過は重い。
滋賀は交代後にも得点を加えた
後半の交代は、次の順に行われた。
| 時刻 | チーム | 退いた選手 | 入った選手 |
|---|---|---|---|
| ハーフタイム | カマタマーレ讃岐 | 宇都木峻 | 牧山晃政 |
| 57分 | レイラック滋賀FC | ロメロ フランク | 久保瑛史 |
| 63分 | カマタマーレ讃岐 | 國分将 | 森川裕基 |
| 66分 | レイラック滋賀FC | 坂元一渚璃 | 竜田柊士 |
| 66分 | レイラック滋賀FC | 日野友貴 | 人見拓哉 |
| 66分 | レイラック滋賀FC | 北條真汰 | 松原海斗 |
| 69分 | カマタマーレ讃岐 | 上野輝人 | 淺田彗潤 |
| 69分 | カマタマーレ讃岐 | 禹相皓 | 河上将平 |
| 82分 | カマタマーレ讃岐 | 村上悠緋 | 米澤令衣 |
| 90分 | レイラック滋賀FC | 三宅海斗 | 山口隆希 |
この間の75分、滋賀は66分に投入された竜田が3点目を決めた。出場から得点まで、記録上は9分だった。
滋賀の角田誠監督にとっては、3人を同時に入れ替えた後にも得点者が出た点を、起用の成果として評価できると考える。角田監督の役職と竜田らの所属は、滋賀公式の選手・スタッフ一覧に掲載されている。
もっとも、交代が得点を生んだ戦術的な仕組みまで証明されたわけではない。記録が示すのは、得点者の北條を含む3人を下げた後、投入した竜田が点差を広げたことだ。2点のリードを保つだけでなく、交代選手から追加点を得られた点に、この試合の滋賀の収穫があると考える。
両チームが持ち帰る論点は、保持を好機へ変える過程
3点差の背景として最も説明力があるのは、滋賀が枠内シュートで上回り、前後半の境目と交代後に得点を重ねたことだと考える。
讃岐はボールを持ち、16本を打った。それでも枠内は3本、得点は0。滋賀は保持率で下回りながら枠内8本を記録し、異なる3選手が得点した。
この一戦から滋賀の攻撃力や讃岐の決定力をシーズン全体へ一般化することはできない。得点者が3人に分かれたことも、継続的に得点源が分散している証明にはならない。
次に両チームを見る際は、結果に加えて次の点を追いたい。
- 讃岐:シュートを打つ前に相手の寄せを外し、枠内へ届ける機会を増やせるか。
- 滋賀:相手のシュート総数だけでなく、危険な位置から打たせる回数を抑えられるか。
- 滋賀の交代起用:竜田の得点のように、途中出場選手が追加点に関わる場面を続けられるか。
公式速報には途中時点の指標もあるが、定型文の集計と現在の終了表には差がある。本記事の総数と割合は終了表に統一し、異なる集計を混ぜた時間帯別の差分計算は行わない。実際の配置や戦術意図も集計だけでは決めつけない。今回の0-3を読み解くうえでは、まず讃岐の「16本中、枠内3本」の内訳が焦点になる。打つ場所に問題があったのか、打てる状態をつくる過程に問題があったのか。その違いによって、修正すべきプレーは変わる。




