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藤枝21本、山形17本でも0-0――枠内シュートは山形が上回った攻撃の評価

サッカー場で紫と青のユニフォームの両チームが対峙する試合分析用イラスト。

藤枝21本、山形17本でも0-0――枠内シュートは山形が上回った攻撃の評価

藤枝MYFCは21本、モンテディオ山形は17本のシュートを放った。それでも、2026年10月17日の2026/27明治安田J2リーグ第11節は0-0で終了した。

藤枝はボール支配率とシュート数で上回った一方、枠内シュートは藤枝3本、山形4本だった。藤枝が試合前に掲げた「前に出る姿勢」は取り戻せたのか。 攻撃の回数を示す数字には手がかりがあるが、無失点とシュート数の多さだけで課題解消まで認めるのは早いと考える。

  • 藤枝はボール支配率56%、シュート21本、コーナーキック11本。
  • 山形はボール支配率44%ながら、枠内シュートで藤枝を上回った。
  • 両チームとも5人を交代させたが、最後まで得点は生まれなかった。
目次

試合結果と主要データ――藤枝が上回った項目と、山形が上回った項目

藤枝がボール保持とシュート総数で上回り、山形が枠内シュート数で上回った試合だった。

会場は藤枝総合運動公園サッカー場。2026/27明治安田J2リーグ第11節の藤枝MYFC対モンテディオ山形は、両チームとも得点がなく、0-0で終了した。

項目 藤枝MYFC(ホーム) モンテディオ山形(アウェイ)
シュート 21 17
枠内シュート 3 4
ボール支配率 56% 44%
パス成功率 83% 77%
コーナーキック 11 4

Jリーグ公式記録では、シュートは藤枝21本、山形17本。ボール支配率は56%対44%、パス成功率は83%対77%、コーナーキックは11本対4本だった。一方、枠内シュートは藤枝3本に対して山形4本となっている。

この組み合わせからは、藤枝の攻撃回数の多さと、ゴールの枠へ飛ばしたシュート数の多さを分けて評価する必要がある。藤枝が複数の項目で上回ったことを、そのまま決定機の多さや一方的な優勢に置き換えることはできない。

21本のシュートは、藤枝の「前進」をどこまで示すか

藤枝の数字は攻撃の回数を示す一方、試合前に求めた前進の質まで証明するものではない。

試合前の課題は、ボールを持つことの先にあった

藤枝の槙野智章監督は、クラブが10月16日に公開した山形戦前のコメントで、失点を避ける意識が強く、前に出られていないと説明した。そのうえで、失点を恐れず前進し、パスコースを増やす意識づけを掲げていた。

同じ記事で長尾優斗が挙げたのは、ボールを奪った後に前へ人数をかけること、そして相手をはがす回数を増やすことだった。単にパスをつなぐだけでなく、奪った直後に相手の守備を越えていく動きが課題として示されていた。

この目標に照らすと、支配率56%とパス成功率83%は、藤枝がどれだけ前進できたかを考える入口になる。ただし、どこでパスを成功させたか、奪った後に何人が前へ出たかは、この二つの割合からは判断できない。

シュートとコーナーキックは増えても、得点には届かなかった

藤枝は21本のシュートと11本のコーナーキックを記録した。山形の17本、4本をそれぞれ上回ったが、枠内シュートは3本にとどまった。

攻撃をシュートまで運ぶ回数があったことは、前向きに捉えられる材料だろう。一方で、シュートを打つ段階と、得点につながりやすい形で打つ段階には差が残った可能性がある。 枠内シュート3本という数字は、その点を検討する根拠になる。

ただし、枠を外した理由は一つではない。遠い位置から打ったのか、相手の寄せを受けたのか、最後の精度を欠いたのかで評価は変わる。今回の集計値だけから「決定力不足」と結論づければ、シュートに至る前の問題を見落とすおそれがある。

コーナーキック11本も同様だ。セットプレーの機会を得たことは確認できるが、その回数だけで好機の質までは測れない。藤枝の課題は、攻撃の回数を確保できたかに加え、その攻撃が相手ゴールをどの程度脅かしたかにあると考えられる。

山形の枠内4本――保持率の差だけでは攻撃を評価できない

山形はボールを持つ割合で下回ったが、枠内シュートでは藤枝を上回った。

山形のボール支配率は44%、パス成功率は77%。それでも17本のシュートを放ち、4本を枠内に飛ばしている。

この数字からは、山形を「守るだけだった」と捉えるのは適切ではないだろう。保持時間の長さで上回らなくても、シュートを放ち、枠へ飛ばすところまでは到達していたと読める。

カウンターへの警戒と、当日の攻撃は分けて考える

槙野監督は試合前、山形のカウンターを鋭いと評価し、警戒対象に挙げていた。これは、藤枝が前に人数をかける際に意識していた相手の脅威を示す発言である。

藤枝が前進すれば、その背後を山形に使われる危険も生まれる。そのため、この試合では「前へ出る人数」と「ボールを失った後への備え」の両立が、藤枝にとって重要な評価軸だったと考えられる。

ただし、山形の17本のシュートや枠内4本を、すべてカウンターの成果と扱うことはできない。攻撃の始まり方を示す内訳がなければ、試合前の警戒が当日にどう表れたかまでは特定できない。

山形についても、枠内シュートで上回ったことと、より得点に近かったことは同義ではない。シュート位置や守備側の状況が異なれば、同じ枠内1本でも得点の難しさは変わる。両チームの攻撃を公平に比べるには、シュート総数だけにも、枠内シュート数だけにも評価を預けない姿勢が必要だろう。

交代は両チーム5人――動いた時間は分かるが、効果の断定はできない

両チームは選手を入れ替えたものの、交代後もスコアは動かなかった。

公式記録に掲載された交代は、次のとおり。

藤枝MYFCの交代

  • 61分:金本毅騎に代わって真鍋隼虎、北原槙に代わって河本大雅。
  • 70分:川本梨誉に代わって上畑佑平士、松木駿之介に代わって中村優斗。
  • 86分:長尾優斗に代わって島野怜。

モンテディオ山形の交代

  • 44分:森岡陸に代わってイ ドンヒ。
  • 67分:氣田亮真に代わって川名連介、土居聖真に代わって堀金峻明、吉尾海夏に代わって野嶽寛也。
  • 86分:柳町魁耀に代わって横山塁。

藤枝は61分と70分に2人ずつ、山形は67分に3人を同時に交代させた。後半の近い時間帯に、双方が複数の選手を入れ替えている。

この時間帯は、試合の変化を検討する際の区切りになり得る。ただし、試合全体のシュート数を交代前後に振り分けることはできず、交代によって攻撃が改善した、あるいは相手の勢いを止めたとは判断できない。山形の44分の交代についても、記録だけから理由を特定することは避けたい。

警告は以下の2件だった。

  • 79分・警告:中村亮太朗(モンテディオ山形)。
  • 90+5分・警告:中村優斗(藤枝MYFC)。

警告を受けた事実と、それが以後のプレーを制限したかは別の論点だ。今回の記録から、警告を0-0の主因に据える根拠は得られない。

無失点は成果、前進の課題解消は別の評価

藤枝の0-0は無失点という結果を残したが、「前に出る姿勢」の課題を解消したとまでは結論づけられない。

藤枝は支配率56%、シュート21本、コーナーキック11本を記録しながら無得点だった。山形も17本のシュートと4本の枠内シュートを記録したが、得点には至らなかった。

藤枝には、攻撃を繰り返した数字を評価しつつ、枠内3本にとどまった過程を検討する余地がある。山形には、保持率で下回りながら枠内シュートで上回った点を評価しつつ、その4本がどのような機会だったかを掘り下げる余地があるだろう。

冒頭の問いへの答えは、前進の課題解消を示すには、結果だけでも攻撃回数だけでも足りないというものだ。ただし、0-0は改善がなかった証拠でもない。

この試合をさらに評価するうえで焦点になるのは、次の三つだ。

  • 藤枝の21本は、どの位置から、どの程度の圧力を受けて放たれたのか。
  • 長尾が課題に挙げた、奪取後に前へ人数をかける動きが得点機会につながったのか。
  • 山形の枠内4本は、藤枝の前進後の背後を使った攻撃だったのか、それ以外の形だったのか。

無失点を保ったうえで、相手の守備を越えて打てたか。藤枝の課題を測る次の焦点は、21本という総数の中身にある。

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