長野、松本に2―1勝利 シュート4本で競り勝った「同点直後の5分」
25分に追いつかれても、長野は同点のまま前半を終えなかった。30分、近藤貴司の得点で再びリード。この一撃が決勝点となり、2026年10月18日に長野Uスタジアムで行われた2026/27明治安田J3リーグ 第11節は、AC長野パルセイロが松本山雅FCを2―1で下した。
シュート数で上回った松本に対し、長野はどこで勝敗を分けたのか。得点経過から浮かぶのは、松本の同点ゴールから5分後に勝ち越し、そのリードを最後まで残したことだ。シュートの本数と得点の差を重ねると、長野の勝利と松本の敗戦を別々の角度から捉えられる。
- 長野は2分に先制。松本が25分に追いついたが、30分に再び勝ち越した。
- シュートは長野4本、松本9本。枠内シュートとCKも松本が上回った。
- 後半は両チームとも無得点。交代を重ねても、前半に生まれた1点差は動かなかった。
試合を決めたのは、先制点よりも同点後の勝ち越し
長野の勝利を得点経過で説明するなら、焦点は30分の近藤貴司のゴールにある。
Jリーグ公式の試合記録によると、開催日は2026年10月18日。2026/27明治安田J3リーグ 第11節、会場は長野Uスタジアムで、最終スコアはAC長野パルセイロ2―1松本山雅FCだった。
得点はすべて前半に生まれた。
- 2分:山中麗央(AC長野パルセイロ)が先制。長野が1―0とした。
- 25分:佐藤亮(松本山雅FC)が同点ゴール。スコアは1―1に。
- 30分:近藤貴司(AC長野パルセイロ)が勝ち越し。これが決勝点となった。
松本は開始直後の失点から同点に戻している。したがって、山中の先制点だけで長野の勝利を説明するのは十分ではない。松本が一度消した点差を、近藤が5分後につくり直した。この応酬が、結果を理解するうえで最も重要な場面と考えられる。
ただし、得点間隔の短さだけで、松本が同点直後に集中を欠いたとまでは判断できない。記録が示すのは、同点の時間が短く、長野が再び先行したという経過だ。心理状態や守備の乱れを、そのまま失点原因に置き換えることは避けたい。
シュート9対4でも、得点は1対2だった
松本は攻撃の本数で上回った一方、長野は少ないシュートから2得点を記録した。
全試合のシュートは長野4本に対して松本9本。枠内シュートは長野2本、松本3本、CKは長野3本、松本6本だった。ここでいう枠内シュートは、ゴールの枠を捉えたシュートを指す。
長野は少ない本数を得点につなげた
長野はシュート4本、枠内シュート2本で2得点。松本はシュート9本、枠内シュート3本で1得点だった。
この対照から、長野がシュートを得点に結び付けた点は評価できる。攻撃の回数を多く積み重ねることと、実際にスコアを動かすことは、この試合では一致しなかった。
一方で、この数字だけから長野の決定機の質が高かったとは断定できない。シュートの位置、相手の寄せ、ゴール前の人数などによって、同じ1本でも得点の難しさは変わる。長野の成果は明確だが、それを攻撃の仕組み全体の優位にまで広げるには、個々の場面が必要になる。
松本の本数は、決定機の多さと同じではない
松本はシュート、枠内シュート、CKのいずれも長野を上回った。ただし、シュート全体の差に比べると、枠内シュートの差は小さい。
この組み合わせを見ると、松本の攻撃を単に「最後の決定力が足りなかった」と片付けるのも早い。シュートまで持ち込んだ後、どの程度ゴールを脅かせたのかを分けて考える必要がある。枠内シュートも、すべてが同じ難度のセーブを要求するわけではない。
また、CKが多かったことだけで松本が試合を支配したとは言い切れない。CKは攻撃の機会だが、そこからシュートや得点につながったかは別の論点となる。
これらはすべて全試合の数字である。Jリーグ公式の戦評は、後半は松本が主導権を握ったと記している。松本の攻撃量と長野の得点という対照は読み取れても、時間帯ごとの攻勢まで再現する数字ではない。
後半の交代でも、前半の1点差は動かなかった
後半は両チームが選手を入れ替えたものの、得点は生まれなかった。
松本は後半開始時に2人を交代。その後も62分、84分、87分に交代を行った。長野は59分に最初の交代を行い、71分と84分には2人ずつを入れ替えている。
交代の経過
AC長野パルセイロ
- 59分:長谷川雄志に代わって吉田桂介。
- 71分:近藤貴司に代わって樋口叶、冨田康平に代わって田中康介。
- 84分:吉澤柊に代わって庄司朗、山中麗央に代わって忽那喬司。
松本山雅FC
- 後半開始時:金子光汰に代わって宮部大己、白井達也に代わって田口裕也。
- 62分:北爪健吾に代わって佐相壱明。
- 84分:田中想来に代わって藤枝康佑。
- 87分:村上陽斗に代わって井上愛簾。
長野では、決勝点を挙げた近藤が71分、先制点を挙げた山中が84分に退いた。得点者がピッチを離れた後も、2―1のスコアは変わらなかった。
この経過は長野が勝ち切った事実を支えるが、交代が守備を改善した証明にはならない。Jリーグ公式の戦評によると、松本はハーフタイムの2人交代と同時にシステムを変え、途中出場の田口裕也が起点を作り、後半は主導権を握った。それでも長野はゴール前で集中を切らさなかった。交代の効果を評価するには、投入後にどこでボールを受け、どのような機会をつくったかを見る必要がある。
警告の記録
- 36分:警告・森田大智(AC長野パルセイロ)。
- 66分:警告・田口裕也(松本山雅FC)。
- 73分:警告・藤川虎太朗(AC長野パルセイロ)。
- 77分:警告・田中康介(AC長野パルセイロ)。
警告の記録だけでは、その後の守備が消極的になったか、対人プレーが変わったかは判断できない。勝敗を説明する材料としては、得点経過やシュート本数と切り分けて扱うのが妥当だ。
長野の成果は再び先行したこと、松本の課題は2点目までの道筋
この試合の分岐点は、松本の同点直後に長野が次の得点を取ったことに絞れる。
長野は先制後に追いつかれたが、30分に勝ち越し、その後は失点しなかった。松本は同点に戻す得点を挙げ、全試合のシュート本数でも上回ったが、2点目には届かなかった。
長野を評価するなら、少ないシュートを得点に変え、再び手にしたリードを最終結果につなげた点が中心になる。一方、シュート本数で下回った事実も残るため、「試合全体で相手を圧倒した勝利」とするのは適切ではない。
松本は、早い失点から同点まで戻した点を敗戦の中に埋もれさせるべきではないだろう。ただし、長野より多く打ったという数字だけで、攻撃内容を十分と評価することも難しい。
次に映像で確かめたいのは、次の2点だ。
- 30分、藤川虎太朗が中央を抜け出して近藤へラストパスを送るまで、長野がどこでボールを奪い、運んだのか。
- 松本の9本のシュートは、どの位置から、どれだけ相手の守備を崩した状態で放たれたのか。
2―1を分けた得点は近藤の一撃だった。その一撃を生んだ条件と、松本の本数が2点目に結び付かなかった理由を分けて見ることが、この結果をさらに深く理解する手掛かりになる。
参照リンク
- Jリーグ公式:2026/27明治安田J3リーグ 第11節 AC長野パルセイロ対松本山雅FC・試合記録(2026年10月18日開催、2026年10月20日確認)










