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支配率はほぼ五分、シュートは14対8 熊本が鹿取勇斗の1点で群馬を下したJ3第8節をデータで読む

夜のスタジアムでボールを競り合う両チームの選手たち

支配率はほぼ五分、シュートは14対8 熊本が鹿取勇斗の1点で群馬を下したJ3第8節をデータで読む

正田醤油スタジアム群馬での一戦。ボールを持った時間は両チームでほとんど同じでした。それでも勝ち点3を持ち帰ったのはロアッソ熊本です。

明治安田J3リーグ 2026 第8節、ザスパ群馬 0-1 ロアッソ熊本。決勝点は71分、熊本の鹿取勇斗でした。

ボール支配率は群馬51%、熊本49%。パス成功率は群馬78%、熊本79%。ここまでは互角です。違いが出たのはシュートで、熊本の14本に対して群馬は8本でした。

では、この1点差は何が分けたのか。この記事の答えを先に書くと、同じ量のボール保持から、熊本のほうがシュートまで持ち込む回数が多かったことです。そのうえで、熊本が2枚替えをした直後の71分に、試合唯一の得点が生まれました。

この試合の要点

  • 最終スコアはザスパ群馬 0-1 ロアッソ熊本(71分 鹿取勇斗)
  • 支配率は51%対49%、パス成功率は78%対79%と、ボール保持の数字はほぼ同じ
  • シュートは8本対14本と熊本が6本多い。枠内は3本対4本で差は1本
  • 熊本は70分に2人を同時に交代し、その1分後に先制した
  • 群馬はハーフタイムから交代を始め、6人を投入したが追いつけなかった

この記事で分かること

  • 公式記録で確認できる試合の事実(得点、交代、警告、開催条件、主要スタッツ)
  • 支配率が五分でもシュート数に差がついた意味
  • 熊本の交代と先制点のタイミング、群馬の交代の流れ
  • 同じ数字から読める別の解釈と、この試合だけでは判断できないこと
目次

試合の事実:0-1、得点は71分の1点だけ

まず、公式記録で確認できる事実を整理します。分析はそのあとです。

基本情報

  • 大会:明治安田J3リーグ 2026 第8節
  • 開催日:2026年9月26日
  • 会場:正田醤油スタジアム群馬
  • 天候:雨/気温20.1℃/湿度84%
  • 入場者数:2,950人
  • 最終スコア:ザスパ群馬 0-1 ロアッソ熊本

得点

  • 71分 鹿取勇斗(ロアッソ熊本)

試合の得点はこの1点だけです。鹿取勇斗は86分に渡邉怜歩と交代しました。

選手交代

ザスパ群馬は後半開始から交代を始め、合計6人を入れ替えました。

  • 45分(後半開始時) 玉城大志 → 野嶽惇也
  • 58分 神垣陸 → 下川太陽
  • 68分 貫真郷 → 相馬丞
  • 77分 田中翔太 → 中島大嘉
  • 77分 藤村怜 → 風間宏希
  • 84分 百田真登 → 出間思努

ロアッソ熊本も6人を交代しました。最初の交代は70分です。

  • 70分 飯星明良 → 根岸恵汰
  • 70分 大本祐槻 → 石田凌太郎
  • 75分 ベ ジョンミン → 石原央羅
  • 86分 鹿取勇斗 → 渡邉怜歩
  • 86分 那須健一 → 大西遼太郎
  • 90+2分 小澤秀充 → 永井颯太

警告・退場

退場はありませんでした。公式記録の警告は3件で、選手への警告2件(いずれも群馬)と、熊本の監督への警告1件です。公式チームスタッツの警告数は群馬2、熊本0です。

  • 37分 警告:片野坂知宏(ロアッソ熊本、監督)
  • 74分 警告:藤村怜(ザスパ群馬)
  • 90+3分 警告:中島大嘉(ザスパ群馬)

主要スタッツ

項目 ザスパ群馬(ホーム) ロアッソ熊本(アウェイ)
シュート 8 14
枠内シュート 3 4
ボール支配率 51% 49%
パス成功率 78% 79%
コーナーキック 1 3

数字を並べると、ボール保持はほぼ同じで、差がついたのはシュートとコーナーキックです。支配率の差は2ポイント、パス成功率の差は1ポイント。一方でシュートは熊本14本、群馬8本で、コーナーキックは熊本3本、群馬1本でした。

勝敗を分けた要因:同じボール保持から、どちらがシュートまで行けたか

結論から書くと、この試合の差はボールを持った時間ではなく、持った時間をシュートに変えた回数に出ました。ここでは要因を3つに分けて見ていきます。

要因1:熊本はほぼ同じ支配率で、シュート数で群馬を上回った

公式スタッツで確認できる事実です。熊本の支配率は49%で、群馬の51%をわずかに下回りました。パス成功率は熊本79%、群馬78%。それでもシュートは熊本14本、群馬8本です。

単純に割ってみると差がはっきりします。熊本は支配率1ポイントあたりのシュートが群馬の約1.8倍。同じ程度にボールを持ちながら、熊本のほうがシュートの場面を多くつくりました。

ここからは見立てです。支配率とパス成功率が拮抗しているので、「どちらかがボールを握り続けた試合」ではなかったと考えられます。差がついたのは、ボールを前に運んだあと、シュートで攻撃を終えられたかどうかの部分です。コーナーキックは熊本3本、群馬1本でした。

ただし、どの時間帯にシュートが多かったかや、14本がどれだけ決定的な場面だったかは、試合全体のスタッツだけでは判断できません。

要因2:熊本の2枚替えから1分後に決勝点

公式記録で確認できる時系列は次のとおりです。

  • 70分 ロアッソ熊本の根岸恵汰が飯星明良に代わって入る(同時にもう1人交代)
  • 71分 ロアッソ熊本の鹿取勇斗が得点
  • 75分 ロアッソ熊本の石原央羅がベ ジョンミンに代わって入る
  • 86分 ロアッソ熊本の渡邉怜歩が鹿取勇斗に代わって入る(同時にもう1人交代)

熊本は前半から後半20分過ぎまで交代を使いませんでした。最初の交代カードを2枚同時に切った直後に、0-0の均衡が破れています。

公式の戦評によると、決勝点は熊本のフリーキックの流れから生まれました。群馬がクリアし切れなかったボールを、ロアッソ熊本の鹿取勇斗がペナルティエリア内で拾い、右足で決めています。交代と得点の時刻は近いものの、交代が得点を直接生んだとは公式記録からは言えません。

なお公式の戦評によると、鹿取勇斗は試合前のアクシデントによる急な先発でした。

リード後の熊本の交代も、時刻を見ると流れがつかめます。86分にはロアッソ熊本の渡邉怜歩が鹿取勇斗に代わって入りました。90+2分にはロアッソ熊本の永井颯太が小澤秀充に代わって入りました。試合終盤に時間を使いながら1点を守り切る動きだった可能性がありますが、交代の意図について当事者の説明は確認できていません。

要因3:群馬は早めに動いたが、枠内3本から得点が生まれなかった

群馬の交代は熊本と対照的でした。後半開始時にザスパ群馬の野嶽惇也が玉城大志に代わって入りました。58分にはザスパ群馬の下川太陽が神垣陸に代わって入りました。68分にはザスパ群馬の相馬丞が貫真郷に代わって入りました。熊本が先制する前に、すでに3人を入れ替えています。

ザスパ群馬の藤村怜は74分に警告を受けました。77分にはザスパ群馬の風間宏希が藤村怜に代わって入りました。同じ77分にザスパ群馬の中島大嘉が田中翔太に代わって入りました。84分にはザスパ群馬の出間思努が百田真登に代わって入り、群馬の交代は6人になりました。

群馬は0-0の段階から交代を進めていました。ただ、シュートは8本にとどまり、枠内の3本も得点になりませんでした。交代のたびに攻撃の量が増えたのかどうかは、時間帯別のスタッツがないため、この記事では評価できません。

ザスパ群馬の中島大嘉は90+3分に警告を受けました。警告の場面の詳細は公式記録からは分かりません。

別の読み方:枠内シュートは4対3、内容は本当に一方的だったのか

ここまでの見方には反論もできます。数字の別の面を見ると、群馬側にも評価できる点があります。

枠内の差はわずか1本

シュート総数は14対8と大きく開きましたが、枠内シュートは熊本4本、群馬3本です。熊本は14本中4本が枠内で、割合は約29%。群馬は8本中3本で、約38%でした。

つまり、枠に飛ばす割合では群馬のほうが高かったという読み方もできます。熊本はシュートの数で上回った一方、枠内に飛ばなかったシュートも10本ありました(ブロックされたものを含みます)。シュート数の差ほどには、ゴールを脅かした回数の差は開いていなかった可能性があります。

「決定力の差」と言い切れない理由

結果だけを見ると「熊本は決め切り、群馬は決め切れなかった」と言いたくなります。ただ、両チームとも枠内シュートは3〜4本で、得点は試合全体で1点だけです。

1試合で枠内3本が無得点、枠内4本で1得点という差は、偶然の幅にも十分収まります。相手GKの対応やシュートの位置など、結果に影響しうる要素の多くはここで扱う数字に表れていません。この1試合だけで、どちらかの得点力やチーム力を判断するのは早すぎます。

天候という条件

公式記録の天候は雨、湿度84%でした。公式の戦評によると、試合開始直前に雨が上がり、ハーフタイムの途中から再び降り出しています。両チームのパス成功率は78%と79%でした。

このパス成功率が両チームにとって普段より高いのか低いのかは、この試合のデータだけでは比較できません。天候がどちらに有利に働いたかも判断できません。確実に言えるのは、同じ条件のもとで、ボールを保持する技術の数字に両チームの差はほとんどなかったということです。

この試合が示すもの:差は「保持」ではなく「仕上げの回数」に出た

導入の問いに答えます。支配率がほぼ五分だったこの試合で1点差を分けたのは、熊本がボール保持をシュートに変えた回数の多さでした。そして、熊本が最初の交代カードを切った直後の71分に、鹿取勇斗のゴールが生まれました。

両チームの評価を整理すると、次のようになります。

ロアッソ熊本:アウェイで無失点、少ない保持からシュートを積み上げた

  • 支配率49%ながらシュート14本、コーナーキック3本で攻撃の回数は上回った
  • 群馬の枠内シュート3本をすべて無得点に抑え、無失点で終えた
  • 一方で枠内シュートは4本だった

ザスパ群馬:保持は互角、シュートまでの距離に課題

  • 支配率51%、パス成功率78%と、ボールを持つ部分では熊本と互角だった
  • 枠内率は熊本より高かったが、シュートの総数は8本にとどまった
  • 0-0の時間帯から3人を交代させたが、先制を許した後も同点に届かなかった

シーズンの中での位置づけ

熊本にとってはアウェイでの完封勝利、群馬にとってはホームで勝ち点を落とした試合です。

公式の戦評によると、熊本はこの勝利で引き分けを含む5戦負けなしとなり7位に浮上し、群馬は18位に後退しました。最新の順位はJリーグ公式サイトで確認できます。

次に見るべきポイント

この1試合の数字から、次の試合で確かめたい点が見えてきます。

  • 熊本のシュート精度:14本中4本だった枠内率が、次戦で上がるのか。数を打てる状態を保ったまま精度が伴えば、得点の安定につながる
  • 群馬のシュート数:保持で互角に戦えた試合で、8本だったシュートを増やせるか。枠内率の高さを得点に結び付けるには、まず打つ回数が必要になる
  • 交代のタイミング:熊本は70分、群馬は後半開始時から動いた。次戦でも同じ時間帯に交代が入るかどうかで、両チームの試合の進め方が見えてくる
  • 同じ傾向が続くか:今回の「保持は五分、シュート数で差」という構図が、両チームの他の試合でも繰り返されるのかどうか

参照リンク

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