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カターレ富山、夏の再始動で見えた「14得点・無失点」――3試合から読むJ2開幕への準備

夏の練習場で実戦形式のトレーニングに取り組む青いユニフォームの選手たち。

カターレ富山、夏の再始動で見えた「14得点・無失点」――3試合から読むJ2開幕への準備

カターレ富山は6月25日に2026/27シーズンのチーム活動を開始し、7月に静岡、愛知、長野でトレーニングマッチを重ねた。

公式結果が公表された3試合は、東海大学付属静岡翔洋高校に9-0、中京大学に4-0、松本山雅FCに1-0。合計14得点、無失点である。ただし、対戦相手や試合時間はそれぞれ異なる。重要なのは数字を単純比較することではなく、8月8日のJ2開幕へ向けて、得点者を広げながら無失点を続けた点だ。

この記事で分かることは次の通り。

  • 6月25日以降の始動日程と活動場所
  • 公式発表された3試合の結果と得点者
  • 得点の分散と無失点が示すもの
  • 新加入カン・ミヌを含む選手間競争の注目点
  • J2開幕後に確認したい課題

ここがポイント: クラブから「トップチーム夏季キャンプ」としてまとまった日程は発表されていない。一方、県外3会場で実戦を重ねた一連の活動は、2026/27シーズンへ向けた重要な準備期間になった。

目次

6月25日に富山で始動、7月は県外で実戦を重ねた

夏の準備は、富山での再始動から県外での実戦へ段階的に進んだ。

クラブは6月10日、トップチームが6月25日から北陸電力総合運動公園・草島グラウンドでトレーニングを始めると発表した。開始時刻や一般見学の詳細は別途案内とされ、日程には変更の可能性も明記されていた。

その後、公式結果が確認できる県外でのトレーニングマッチは次の3試合だ。

  • 7月9日・静岡県:東海大学付属静岡翔洋高校戦(30分×3本)
  • 7月13日・静岡県:中京大学戦(35分×3本)
  • 7月18日・長野県:松本山雅FC戦(45分×3本)

会場も清水ナショナルトレーニングセンター J-STEP、御前崎ネクスタフィールド、信州グリーンフィールドかりがねと移っている。ただし、クラブはこれらを一括した「夏季キャンプ」として発表していないため、宿泊期間や全参加メンバー、練習メニューを推測することはできない。

なお、クラブ公式サイトには「カターレ富山サマーキャンプ2026」という催しも掲載されているが、こちらはスクール生と富山県内の小学生を対象にした育成・交流事業であり、トップチームの強化活動とは別のものだ。

3試合14得点、無失点――数字の中身を整理する

最大の収穫は、大差で勝つ試合だけでなく、得点が少ない展開でも失点を許さなかったことだ。

7月9日:9人が得点に関与した静岡翔洋高校戦

最初に結果が公表された東海大学付属静岡翔洋高校戦は9-0。30分ずつの3本で、5-0、3-0、1-0と推移した。

得点者は次の通りだった。

  • 布施谷翔
  • 植田啓太
  • 西矢慎平
  • 亀田歩夢
  • 古川真人
  • キム・テウォン(2得点)
  • 坪井清志郎
  • 中島裕希

1人の大量得点に依存せず、8人がゴールを記録した。相手が高校生である点を考えれば、9得点だけでJ2での攻撃力を評価するのは早い。それでも、3本すべてで得点し、出場時間を分けた中でも得点者が広がった事実は、攻撃陣の競争を見るうえで有用な材料になる。

7月13日:中京大学戦は4-0、松田力が連続得点

中京大学戦は35分×3本で4-0。各本のスコアは1-0、1-0、2-0だった。

亀田歩夢とキム・テウォンが前戦に続いて得点し、3本目には松田力が26分と27分に連続ゴールを決めた。複数試合で結果を残した選手が出た一方、経験豊富な松田も短時間に2点を加えている。

この試合で見るべきなのは、得点数以上に各本で得点しながら無失点を保ったことだ。メンバー構成や配置は公表されていないため戦術面までは断定できないが、試合時間の全区間でスコアを動かしたことは確認できる。

7月18日:松本山雅FC戦は最後の1点で決着

松本山雅FC戦は45分×3本で1-0。最初の2本は0-0で進み、3本目の45分に坪井清志郎が決勝点を挙げた。

前の2試合とは試合の性質が異なる。大量得点ではなく、135分間で生まれたゴールは一つだけだった。それでも無失点を崩さず、最後に勝敗を動かした。

坪井は静岡翔洋高校戦に続く得点である。開幕前のポジション争いを考えると、異なる展開の2試合でゴールを記録した点に注目したい。

得点分散が示す選手間競争

3試合の14得点を9人で分けたことが、夏の実戦で最も明確に確認できる競争材料だ。

複数試合で得点したのは、キム・テウォン、亀田歩夢、坪井清志郎の3人。松田力は中京大学戦で2得点を挙げた。ほかにも布施谷翔、植田啓太、西矢慎平、古川真人、中島裕希が得点者に名を連ねている。

この分散には二つの見方がある。

  • 特定の選手に頼らず、複数の組み合わせから得点が生まれた
  • J2の公式戦で誰が継続的に得点できるかは、まだ分からない

相手のカテゴリーと試合形式が違うため、14得点をそのままリーグ戦の得点力へ置き換えることはできない。とりわけ、松本山雅FC戦では135分間で1得点だった。開幕後はシュート数や決定機、セットプレー、先制された場合の反応まで見なければ、攻撃の完成度は判断できない。

一方、3試合を通じて失点がなかったことは軽視できない。大きくメンバーを入れ替える可能性がある変則形式でも、スコア上は守備の継続性を保った。ただし、被シュート数や相手の決定機は公表されておらず、守備内容の評価は公式戦へ持ち越される。

新加入カン・ミヌの適応も焦点に

編成面では、7月1日に加わったDFカン・ミヌがどの段階で公式戦の戦力になるかが注目点となる。

カン・ミヌは蔚山HD FCから期限付き移籍で加入した。期限は2026年7月1日から2027年6月30日まで。2006年生まれ、185センチのDFで、韓国の各年代別代表歴を持つ。

本人は加入発表時、早くチーム練習へ合流して適応したいという趣旨のコメントを残した。6月25日に始動したチームへ途中から加わるため、夏の準備期間は仲間の特徴や安達亮監督の要求を理解する時間でもあった。

ただし、クラブが公表したトレーニングマッチ結果には出場メンバーが記載されていない。カン・ミヌが各試合で何分プレーしたか、どの位置で起用されたかは確認できないため、現時点で序列や開幕先発を予測する材料は足りない。

トップチーム体制についても、クラブは6月30日時点の一覧を公表した際、9月16日までの登録ウインドー期間中に追加や変更が生じる可能性を示している。夏の競争は既存選手だけで完結せず、今後の編成とも連動する。

ファンに開いたFC岐阜戦も準備期間の一部

非公式戦をファンが直接見られる機会として設定したことも、今回の夏の特徴だった。

クラブは7月25日、富山県総合運動公園陸上競技場でFC岐阜とのトレーニングマッチを開催すると発表。45分×3本を予定し、両クラブのファンクラブ会員を観戦対象とした。

通常の練習試合とは異なり、チケットを販売して観戦導線を整えたイベントだった。新シーズンへ向かうチームをホームで披露し、サポーターが仕上がりを確かめる場をつくった意味は大きい。

ただし、開催告知ページには試合結果や得点者が掲載されていない。結果を補完して評価へ組み込むことは避け、公式から追加発表があれば改めて確認したい。

8月8日のJ2開幕で何を見るべきか

準備期間の成果が問われる最初の舞台は、8月8日のヴァンラーレ八戸戦だ。

カターレ富山の2026/27明治安田J2リーグは、アウェーゲームが続く。

  • 第1節:8月8日、ヴァンラーレ八戸戦(プライフーズスタジアム)
  • 第2節:8月15日、ブラウブリッツ秋田戦(ソユースタジアム)
  • 第3節:8月22日、FC今治戦(富山県総合運動公園陸上競技場)

開幕から東北で2試合を戦うため、夏の県外活動で移動を伴う実戦を重ねた経験は無駄にならない。ただし、トレーニングマッチと勝点を争うリーグ戦では、強度も試合運びも変わる。

開幕後に確認したいのは次の4点だ。

  • 9人に分散した得点を、J2の守備を相手に再現できるか
  • 松本山雅FC戦のような均衡状態で、より早く決勝点を奪えるか
  • 3試合無失点だった守備が、公式戦でも決定機を抑えられるか
  • カン・ミヌを含む新戦力が、先発・途中出場のどちらで競争へ入るか

夏の実戦で残した14得点・無失点は、好材料ではあっても保証ではない。最初の答えが出るのは八戸戦。そこで誰が得点を担い、90分を通して失点を防げるかが、この準備期間の実質的な評価になる。

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