菅平の非公開トレーニングから見えたAC長野の夏準備 開幕前テストで残った「3失点」の課題
AC長野パルセイロは、2026年6月29日と7月1日、2日に菅平で非公開トレーニングを実施した。クラブが「夏季キャンプ」と題した詳細な実施報告は確認できないものの、8月8日の2026/27明治安田J3リーグ開幕へ向けた、夏の集中強化期間に当たる。
その成果を測る機会の一つが、7月12日のいわきFCとの公開トレーニングゲームだった。結果はAC長野が1-3で敗戦。新シーズンを前に、守備の修正と攻守の完成度向上が急務であることを示すテストになった。
この記事で分かることは次の3点だ。
- 菅平で確認できたトレーニング日程と公開範囲
- いわきFC戦の結果が開幕準備に持つ意味
- 2026/27シーズン開幕までに見るべきポイント
菅平で確認できたのは6月29日、7月1日、2日の3日間
公式日程から確認できる夏の集中期間は、菅平で行われた3日間の非公開トレーニングだ。
AC長野のトップチームは、明治安田J2・J3百年構想リーグの全日程を終えた後、6月6日から23日までオフに入った。6月24日に千曲川リバーフロントで活動を再開し、同月29日に菅平へ移動している。
日程は次の通りだった。
- 6月24日:トレーニング、千曲川リバーフロント
- 6月25日:トレーニング、千曲川リバーフロント
- 6月26日:トレーニング、千曲川リバーフロント
- 6月27日:オフ
- 6月28日:非公開トレーニング
- 6月29日:菅平でトレーニング
- 6月30日:オフ
- 7月1日:菅平でトレーニング
- 7月2日:菅平でトレーニング
- 7月3日:千曲川リバーフロントでトレーニング
菅平での3回は、いずれも施設側の要請によって非公開とされた。練習メニュー、参加選手、紅白戦の組み合わせなどは公表されていないため、具体的な戦術やポジション争いを外部から評価する材料は限られる。
一方、長期オフ明けに通常の練習場を離れ、菅平でまとまったトレーニング日を設けた流れは明確だ。8月開幕の新シーズンへ向け、チームを再始動させる重要な期間だったことは日程から読み取れる。
ここがポイント: 菅平で実施されたこと自体はクラブ公式日程で確認できる。ただし、参加メンバーや練習内容は非公表であり、確認できない部分を推測で埋めることはできない。
集中強化の焦点は「新シーズン仕様への切り替え」
この夏の最大のテーマは、短期大会を終えたチームを、38試合を戦う通常シーズンへ切り替えることにある。
2026年前半の明治安田J2・J3百年構想リーグは、秋春制移行前の特別大会だった。AC長野はプレーオフラウンド第2戦でカマタマーレ讃岐と対戦し、PK戦を制して大会を終えている。
そこから約2週間半のオフを挟み、6月24日に再始動した。8月8日のJ3第1節まで約6週間。通常のプレシーズンと同じように、負荷を上げながら試合で使える状態へ持っていく時間が確保された形だ。
小林伸二監督のチーム作りを深める期間
Jリーグ公式のクラブ情報では、2026年7月24日更新時点の監督は小林伸二氏となっている。
小林監督の下で迎える2026/27シーズンは、最初から同じ指揮体制で準備して公式戦へ入れる。シーズン途中の立て直しとは異なり、トレーニングの負荷、選手の役割、攻守の約束事を開幕から逆算して整理できる期間だ。
ただし、菅平で何を重点的に練習したかは公表されていない。注目すべきなのは、練習メニューを想像することではなく、その後の試合でチームの変化を確認することになる。
非公開だからこそ試合結果が重要になる
練習を見学できない場合、チームの仕上がりを判断する主な材料は公開トレーニング、練習試合、公式戦だ。
AC長野は菅平でのトレーニング後、千曲川リバーフロントで練習を重ね、7月12日に長野UスタジアムでいわきFCと対戦した。この一戦は、夏の準備が実戦でどう表れたかを測る最初の明確な材料になった。
いわきFC戦は1-3 2本とも失点した事実をどう見るか
開幕前の実戦で残った最大の課題は、45分間の両方で失点したことだ。
「IIZUNA Highland Camp Cup 2026」として行われた公開トレーニングゲームは、45分×2本で実施された。いわきFC公式による結果は以下の通りだ。
- 合計:いわきFC 3-1 AC長野パルセイロ
- 1本目:2-1
- 2本目:1-0
AC長野は1本目に得点したが、同じ45分間で2点を許した。2本目は無得点に終わり、さらに1失点。出場メンバーや得点者が公表されていないため、個々の選手評価や具体的な失点原因には踏み込めない。
それでも、異なる2本の双方で失点したという結果は軽くない。選手交代を挟んだ可能性があるトレーニングゲームでは、メンバー構成が変わっても守備の基準を保てるかが問われるからだ。
いわきFCとの比較で見える準備条件の違い
この試合は、両クラブにとって同じ位置づけではなかった。
いわきFCは7月1日から12日まで長野市でトレーニングキャンプを実施。複数回の二部練習に加え、新潟経営大学、松本大学とのトレーニングゲームを経て、最終日にAC長野と対戦した。
一方、AC長野は菅平での非公開トレーニング後、通常拠点で調整を続けて試合に臨んだ。いわきFCはキャンプ最終日の実戦、AC長野は新シーズン開幕へ向かう準備試合という違いがある。
この条件差だけで1-3という結果を説明することはできない。ただ、いわきFCが長期間のキャンプと複数の実戦を積んでいた点は、試合を評価する際に押さえておく必要がある。
結果だけで夏の準備を失敗とは言えない
1-3は課題を示すが、トレーニングゲームの敗戦だけでチームの完成度を決めることはできない。
練習試合では、結果以外にも複数の目的が設定される。主力候補の連係確認、負荷の高い状態でのプレー、異なる組み合わせのテストなどだ。ただし、AC長野がこの試合で何を狙ったかは公式に明らかにされていない。
したがって、確認できる範囲で評価すべき点は絞られる。
- 1本目には1得点を記録した
- 2本を通じて無失点の時間帯を作り切れなかった
- 後半に当たる2本目は得点できなかった
- 開幕まで約4週間を残した時点の試合だった
重要なのは、3失点を単発の結果で終わらせないことだ。次の実戦で失点数や失点の時間帯がどう変わるか、得点を複数の選手や形から生み出せるか。そこまで追って初めて、夏の強化が前進しているかを判断できる。
開幕前に続いた実戦と公式戦
いわきFC戦の後は、県選手権とJ3開幕戦が仕上がりを測る基準になる。
AC長野は7月25日、第31回長野県サッカー選手権大会準決勝でアンテロープ塩尻と対戦。8月2日には決勝で松本山雅FCと対戦する日程が組まれた。
そして2026/27明治安田J3リーグは、8月8日に長野Uスタジアムで開幕する。第1節の相手はレノファ山口FCだ。その後はアウェイでFC大阪、ロアッソ熊本と対戦し、第4節でザスパ群馬をホームに迎える。
開幕直後から見るべき点は明快だ。
- いわきFC戦で出た複数失点を減らせるか
- 先発と交代選手の間で守備の強度を保てるか
- 1得点で止まった攻撃を複数得点へつなげられるか
- 県選手権からリーグ開幕まで、主力のコンディションを整えられるか
菅平での練習内容は外部から見えなかった。だからこそ、答えは開幕後のピッチに出る。まず確認したいのは、レノファ山口FCとの第1節で、AC長野が90分を通して失点を抑え、試合の主導権を握る時間をどれだけ作れるかだ。










