清水は「1点の壁」を破れるか FC東京戦は藤井智也の仕掛けとカウンター対応が焦点
清水エスパルスが連敗を止めるには、守備の大幅な作り直しよりも、互角の時間帯を得点へ変える一歩が必要だ。
清水はリーグ戦で3試合連続の0-1負け。一方のFC東京は2連勝中で、直近の公式戦3試合では計11得点を挙げている。9月2日の一戦では、清水が前へ出た瞬間に生じるスペースを管理しながら、藤井智也らがシュートまで持ち込めるかが最大の焦点になる。
- 清水は1勝3敗の16位。3試合連続で0-1
- FC東京は2勝1分1敗の5位。リーグ戦2連勝中
- 清水の得点は4試合で1点、FC東京は8点
- 19時、IAIスタジアム日本平でキックオフ
対戦の前提:守れている清水と、得点力を高めたFC東京
両チームの差は、失点数よりも得点数にはっきり表れている。
2026年9月2日(水)に行われる2026/27明治安田J1リーグ 第5節。清水エスパルスがIAIスタジアム日本平にFC東京を迎え、19時にキックオフする。
試合前の基本情報は次の通りだ。
- 大会:2026/27明治安田J1リーグ 第5節
- 対戦:清水エスパルス vs FC東京
- 日時:2026年9月2日(水)19:00
- 会場:IAIスタジアム日本平
- 清水:16位、1勝0分3敗、1得点3失点
- FC東京:5位、2勝1分1敗、8得点7失点
- 監督:清水は吉田孝行監督、FC東京は松橋力蔵監督
清水は開幕戦に勝った後、横浜F・マリノス、セレッソ大阪、柏レイソルにいずれも0-1で敗れた。4試合で複数失点は一度もなく、守備が試合を壊しているわけではない。それでも得点が北川航也の1点にとどまり、勝点を積み上げられていない。
FC東京は開幕戦でFC町田ゼルビアに1-5で敗れたが、その後はヴィッセル神戸と2-2で引き分け、ジェフユナイテッド千葉に2-0、V・ファーレン長崎に3-0で勝利した。天皇杯の長野戦を含めると公式戦3連勝。序盤の大量失点から立て直し、得点を奪いながら勝つ流れへ移っている。
ここがポイント: 清水が耐えられるかだけを見る試合ではない。耐えた時間を、先制点につながる攻撃へ変えられるかが問われる。
最大の論点:清水はシュートまでの最後の一歩を踏み込めるか
清水に必要なのは、攻撃回数を増やすこと以上に、ゴール前でプレーを完結させることだ。
清水は直近3試合で計3失点に抑えながら、得点はゼロだった。横浜F・マリノス戦とセレッソ大阪戦では各10本、柏戦では6本のシュートを記録したが、ゴールには届いていない。
吉田監督の下で守備の形を維持できているからこそ、攻撃側が負う役割は明確になる。
- ボールを運んだ選手が相手を引きつける
- 周囲が追い越して、パスとシュートの選択肢を作る
- 完璧な形を待たず、ペナルティーエリア周辺で攻撃を終える
- ボールを失った直後にFC東京のカウンターを遅らせる
攻撃を急ぎすぎれば、FC東京の速い攻めを呼び込む。ただし、リスクを避けるあまり横パスを重ねるだけでは、3試合続いた0-1の展開を変えにくい。仕掛ける場所を選び、仕掛けた後はシュートまで進むという判断が必要になる。
藤井智也の積極性が停滞を動かす
清水側の注目選手は背番号50の藤井智也だ。リーグ戦4試合すべてに先発し、チーム唯一のアシストを記録している。
Jリーグ公式プレビューで藤井は、直近ではシュートを打つ場面が減ったことを踏まえ、積極的に仕掛けて強引にでも狙う意向を示した。これは個人の得点だけに関わる話ではない。藤井が縦へ運び、相手DFを動かせば、北川航也や逆サイドの選手が使える場所も生まれる。
清水のリーグ戦初得点は、藤井のアシストから北川が決めたものだった。再び両者が直接得点に関わる形を作れるかは、攻撃改善を測る具体的な基準になる。
FC東京の強み:速攻だけに絞れない攻撃
清水が警戒すべきなのは、FC東京がカウンターと中央攻略の両方を持つことだ。
吉田監督はJリーグ公式プレビューで、FC東京の強烈なカウンターに加え、守備ブロックのライン間へ人数をかける攻撃にも言及している。清水が自陣を固めても、速攻だけを消せば済む相手ではない。
長倉幹樹とマルセロ・ヒアンをどう止めるか
FC東京では長倉幹樹が4試合3得点、マルセロ・ヒアンが2得点。2人でチーム8得点のうち5点を占める。
長倉は得点だけでなく、相手守備の間でボールを受けて次の攻撃へつなぐ役割でも警戒が必要になる。マルセロ・ヒアンにはスピードとパワーがあり、清水が攻撃へ人数をかけた後の広いスペースを与えたくない。
清水側から見た守備の要点は絞れる。
- 前線への縦パスを簡単に入れさせない
- ボール保持者だけでなく、その先で走る選手も捕まえる
- サイドバックが前進した際は、残る選手が背後を管理する
- 攻撃を止められた後、中央を一気に通されない
守備ラインを下げ続ければ、今度はライン間で本間至恩らに前を向かれる。前から追う場面と、自陣で構える場面を曖昧にしないことが重要だ。
本間至恩の左サイドも見逃せない
本間至恩はリーグ戦3試合連続で先発し、天皇杯の長野戦から公式戦2試合連続で得点している。ドリブルで局面を動かせる本間を自由にすれば、清水の守備が横へ広げられ、中央の長倉やマルセロ・ヒアンにも余裕が生まれる。
清水は本間と対面する選手だけに対応を任せず、縦への進路を複数人で狭めたい。ただし人数を寄せすぎれば中央が空く。この配分が、FC東京の攻撃を抑えるうえで難しいところになる。
注目選手:清水の攻撃を動かす2人と、東京の得点源
清水は藤井の突破を北川のフィニッシュへ結び付けられるか。FC東京は長倉を中心に好調を維持できるか。
清水エスパルス
- 藤井智也(MF、背番号50):4試合すべてに先発し、1アシスト。自らシュートへ進む姿勢が、守備を固める相手を動かすきっかけになる。
- 北川航也(FW、背番号49):清水で唯一のリーグ戦得点者。藤井らが運んだボールを、ゴール前で結果へ変える役割を担う。
- 須貝英大(DF、背番号24):チーム最多の総スプリント85回を記録。前進への貢献と同時に、FC東京の速攻に備える帰陣も重要になる。
FC東京
- 長倉幹樹(FW、背番号26):4試合3得点でチーム最多。第4節の長崎戦でもゴールを決めており、清水が最優先で抑えたい得点源だ。
- マルセロ・ヒアン(FW、背番号9):2得点に加え、チャンスクリエイト総数8。フィニッシュだけでなく、清水の守備を動かす起点にもなる。
- 本間至恩(MF、背番号19):公式戦2試合連続得点中。左サイドから中央へ入る動きが、清水の守備配置を崩す可能性を持つ。
なお、ここで挙げた選手の起用を断定するものではない。
過去の対戦から見えること
近年の直接対決は一方的ではなく、清水にもFC東京を無失点で破った実績がある。
直近5回のリーグ戦対戦はFC東京の2勝、清水の2勝、1分。2021年と2022年5月の試合ではFC東京が計7得点を挙げて連勝したが、清水は2022年8月と2025年4月にいずれも2-0で勝った。2025年10月の日本平での対戦は1-1だった。
このカードの過去を、そのまま今回の勝敗予測には使えない。選手構成もシーズンの状況も異なるからだ。ただ、清水が守備の距離を保ち、先に得点できれば、FC東京の攻撃力を抑えて勝ち切れることは過去の結果が示している。
今回も最初の1点が重い。清水が先制すれば、FC東京は人数を前へ出す必要が生じ、追加点を狙う空間が広がる。反対に先に失点すれば、3試合連続0-1という流れが選手の判断を難しくする可能性がある。
試合の見立て:清水の鍵は「守る勇気」より「打ち切る勇気」
清水が連敗を止める条件は、守備強度を保ったまま、攻撃をシュートで終える回数を増やすことだ。
FC東京は得点力で上回り、公式戦3連勝の勢いもある。清水が不用意に攻め急げば、長倉、マルセロ・ヒアン、本間らの速さと技術を生かす展開になりやすい。
それでも、清水が受け身に徹するだけでは勝点3へ届きにくい。ここまでの4試合で守備は一定の安定を示した。次に必要なのは、藤井が仕掛け、北川がゴール前へ入り、周囲がこぼれ球まで回収する連続した攻撃だ。
勝敗を断定できる材料はない。ただし、この試合で清水が見るべきポイントは明確である。
- 前半から藤井が縦へ仕掛け、シュートまで進めるか
- 北川がペナルティーエリア内でボールを受けられるか
- 攻撃直後に長倉とマルセロ・ヒアンへの縦パスを止められるか
- 本間のドリブルに守備全体を引き寄せられず、中央も管理できるか
問いへの答えは、清水が「守れている試合」を「得点できる試合」へ変えられるかに尽きる。まず必要なのは1点。その1点を奪うために、誰が最初に相手の守備へ踏み込むのかを見届けたい。










