8分に先制、40分に追加点、78分には3点目。いちご宮崎新富サッカー場で、テゲバジャーロ宮崎は前後半で3度ゴールを決めた。そこから札幌は82分と90+3分に得点し、試合は最後の数分まで分からなくなった。
2026年9月26日、明治安田J2リーグ 2026 第8節は、テゲバジャーロ宮崎が北海道コンサドーレ札幌に3-2で勝った。ボールを長く持ったのは札幌で、支配率は57%。それでもシュート数は宮崎が16本、札幌が8本と、宮崎が2倍だった。
では、この試合の勝敗を分けたものは何だったのか。データから見えてくる答えは、ボールを持たない時間が長かった宮崎が、少ない保持でもシュートの数と枠内シュートを積み上げ、3点目までのリードを作り切ったことだ。札幌の終盤の反撃は鋭かったが、反撃が始まった時点で残り時間は10分ほどしかなかった。
この記事で分かること
- 公式記録で確認できる得点経過と交代の流れ
- 支配率とシュート数が逆を向いた理由をどう読むか
- 札幌の終盤2得点と、宮崎の78分の3点目の重み
- この1試合から言えること、まだ言えないこと
試合の事実関係:宮崎が3点を先行し、札幌が終盤に2点を返した
まずは公式記録で確認できる事実を整理する。5つの得点のうち3つは、78分以降に集中していた。
- 大会:明治安田J2リーグ 2026 第8節
- 開催日:2026年9月26日
- 会場:いちご宮崎新富サッカー場(入場者数2,743人)
- 天候:晴れ、気温28.2℃、湿度63%
- 最終スコア:テゲバジャーロ宮崎 3-2 北海道コンサドーレ札幌
得点経過
- 8分:村越凱光(宮崎) 1-0
- 40分:奥村晃司(宮崎) 2-0
- 78分:黒木謙吾(宮崎) 3-0
- 82分:唐山翔自(札幌) 3-1
- 90+3分:アマドゥ バカヨコ(札幌) 3-2
前半で宮崎が2点。後半も宮崎が先に3点目を奪い、そこから札幌が2点を返した。札幌の得点は、2点とも最後の10分強に集中している。
交代の流れ
札幌はハーフタイムに3人を同時に代え、その後も3人を投入した。宮崎は71分以降に5人を入れている。
北海道コンサドーレ札幌
- 46分(後半開始):北海道コンサドーレ札幌 宮澤裕樹 ← パク ミンギュ
- 46分(後半開始):北海道コンサドーレ札幌 青木亮太 ← 荒野拓馬
- 46分(後半開始):北海道コンサドーレ札幌 唐山翔自 ← 大森真吾
- 67分:北海道コンサドーレ札幌 木戸柊摩 ← 大﨑玲央
- 75分:北海道コンサドーレ札幌 ヴィニ ペイショット ← 長谷川竜也
- 79分:北海道コンサドーレ札幌 アマドゥ バカヨコ ← 白井陽斗
テゲバジャーロ宮崎
- 71分:テゲバジャーロ宮崎 井上怜 ← 阿野真拓
- 71分:テゲバジャーロ宮崎 渡邉英祐 ← 家坂葉光
- 85分:テゲバジャーロ宮崎 堤奏一郎 ← 松本雄真
- 85分:テゲバジャーロ宮崎 小西宏登 ← 村越凱光
- 87分:テゲバジャーロ宮崎 松本ケン チザンガ ← 橋本啓吾
(表記は「時間:チーム IN ← OUT」)
札幌の2得点は、いずれも途中出場の選手によるものだった。北海道コンサドーレ札幌の唐山翔自はハーフタイム明けから出場していた。79分には北海道コンサドーレ札幌のアマドゥ バカヨコが白井陽斗に代わって入った。北海道コンサドーレ札幌のアマドゥ バカヨコは90+3分にゴールを決めている。
Jリーグ公式記録では、警告は両チームとも0、退場も0だった。
主要スタッツ:「持った札幌、打った宮崎」
数字を並べると、ボールを持ったチームとシュートを打ったチームがはっきり分かれる。
| 項目 | テゲバジャーロ宮崎(ホーム) | 北海道コンサドーレ札幌(アウェイ) |
|---|---|---|
| シュート | 16 | 8 |
| 枠内シュート | 6 | 2 |
| ボール支配率 | 43% | 57% |
| パス成功率 | 73% | 80% |
| コーナーキック | 4 | 4 |
公式記録の数字を確認しておく。
- ボール支配率:宮崎43%、札幌57%(差は14ポイント)
- パス成功率:宮崎73%、札幌80%(差は7ポイント)
- シュート:宮崎16本、札幌8本
- 枠内シュート:宮崎6本、札幌2本
- コーナーキック:4本ずつ
支配率もパス成功率も札幌が上だった。一方で、シュートと枠内シュートは宮崎が上回っている。コーナーキックが4本ずつで並んでいるのは、セットプレーの機会の数では両チームに差がなかったことを示す。
勝敗を分けた要因1:札幌の保持に対し、宮崎はシュートの「数」で上回った
この試合でいちばん大きいポイントだ。ボールを持たない時間が長かった宮崎が、シュート数では札幌の2倍を記録した。
数字が示していること
宮崎は支配率43%で16本のシュートを放ち、そのうち6本が枠に飛んだ。札幌は57%の支配率でシュートが8本、枠内は2本にとどまった。
保持の差が14ポイントあるにもかかわらず、シュート数は宮崎が8本多い。札幌がボールを持つ時間の多くは、シュートの手前で止まっていたことになる。
どう読むか
この並びからは、宮崎がボールを奪ってから短い手数でゴール前に運び、シュートまで持ち込む場面を多く作っていた可能性が考えられる。パス成功率が73%と札幌より低いことも、つなぐ本数より前に出る選択を優先した結果と読むことはできる。
公式の試合速報には各得点の形も記載されている。例えば40分の追加点は、家坂葉光のクロスを奥村晃司が右足で決めたものだ。ただし、ボール奪取の場所や、宮崎がどんな意図でこの形になったのか、札幌の保持がどこで止められたのかは、公式記録だけでは断定できない。
逆の見方もある。札幌の支配率57%は、宮崎が2点、3点とリードしたことで、札幌がボールを持たざるを得なかった時間が長かった結果だとも考えられる。先制が8分と早かったため、試合の大半は札幌が追いかける展開だった。支配率の差は、内容の差であると同時にスコアの推移の影響も受けていると見ておきたい。
勝敗を分けた要因2:札幌の決定力に対し、宮崎の78分の3点目が効いた
シュートの数で見れば宮崎が優位だった。一方で、決めた割合で見ると札幌の数字も目立つ。
決定力の比較
- 宮崎:枠内シュート6本で3得点
- 札幌:枠内シュート2本で2得点
札幌は枠に飛んだシュートを2本とも決めた。限られたチャンスで結果を出したという点では、札幌の終盤の攻撃は効率が高かった。
3点目のタイミング
黒木謙吾の3点目は78分。その4分後の82分に唐山翔自が1点を返し、90+3分にはアマドゥ バカヨコが2点目を決めた。
仮に宮崎の3点目がなかったとすれば、札幌の2得点は同点に追いつくゴールになっていた計算になる。スコアの上では、78分の3点目が最終的な勝ち点3を守る1点になった。
札幌の交代と終盤の得点
札幌の2得点は、いずれも途中出場の選手によるものだった。ハーフタイムに3人、67分・75分・79分に1人ずつと、札幌は交代枠を段階的に使い、得点者はその中から出ている。
ここから、交代選手の投入が終盤の得点につながった可能性はある。ただ、得点が生まれたのは2点、3点のビハインドを負ってからで、交代と得点の因果関係までは公式記録から確定できない。札幌は後半の立ち上がりから3人を入れ替えたが、最初の得点が生まれたのは82分だった。
宮崎の側も終盤に入れ替えを進めた。85分にはテゲバジャーロ宮崎の小西宏登が、先制点の村越凱光に代わって入った。87分にはテゲバジャーロ宮崎の松本ケン チザンガが橋本啓吾に代わって入った。その直後の90+3分に失点しているが、交代と失点の関係は記録からは判断できない。
この試合から言えること、言えないこと
この1試合で確かに言えるのは、ボール支配率で下回ったチームが、シュートの数と枠内シュートで上回って勝ったという事実だ。
宮崎にとって
- 支配率43%でもシュート16本、枠内6本を記録し、3得点につなげた
- 前半に2点、後半に1点と、試合の複数の時間帯で得点した
- 一方で、3-0から最後の15分弱で2失点し、試合を締めきれなかった
勝ち点3は取ったが、3点差を守り切れなかった終盤は課題として残る。札幌の枠内シュートが2本しかない中で2本とも決められたことをどう評価するかは、映像や詳細データを見ないと判断が分かれる部分だ。
札幌にとって
- 支配率57%、パス成功率80%とボールを握る時間は長かった
- ただしシュートは8本、枠内は2本で、保持をシュートにつなげた回数は少なかった
- 途中出場の唐山翔自とアマドゥ バカヨコがゴールを決め、最後まで1点差に迫った
終盤の2得点は、交代選手が結果を出したという意味で前向きな材料だ。それでも、8分、40分、78分と3失点していたことが、最後に届かなかった1点差につながっている。
シーズン序盤の位置づけ
第8節はシーズンの序盤にあたる。この1試合だけで、両チームの今季の戦い方やチーム力を決めつけることはできない。
順位への影響は、Jリーグ公式の順位表で最新の状況を確認してほしい。次の試合で注目したいのは、次の点だ。
- 宮崎:支配率で下回っても、シュートの数と枠内シュートで上回る試合を続けられるか
- 宮崎:リードした終盤に失点を防げるか
- 札幌:ボールを持つ時間の長さを、シュート8本より多い数字につなげられるか
- 札幌:途中出場で得点した唐山翔自とアマドゥ バカヨコの起用がどう変わるか
宮崎の3点目と札幌の終盤2得点は、どちらも試合の最後の15分間に集中した。次の試合で、この終盤の展開が繰り返されるのか、どちらかのチームが早い時間に試合を動かせるのかは、注目点になる。










