大宮の21得点に富山はどう挑む?勝点1差の対決は「奪った後」に注目
リーグ最多21得点の大宮に対し、富山を「守って耐える側」と捉えてよいのか。富山は直近のリーグ戦7試合を3勝4分で終え、前節は25本のシュートを放っている。今回の焦点は、大宮が富山の攻撃をどこで止め、自分たちの得点機会へつなげられるかにあると考える。
RB大宮アルディージャとカターレ富山は、10月21日19:00、NACK5スタジアム大宮で対戦する。勝点差はわずか1。大宮の決定力と、富山が攻撃を続ける力の両方を見たい一戦だ。
- 大宮はリーグ最多21得点。7得点のカルリーニョスジュニオが攻撃の中心を担う。
- 富山は前節、25本のシュートを放ちながら1得点。攻撃の回数と得点への結び付きが注目点になる。
- 両者の攻撃をつなぐ観戦ポイントは、大宮の前線からの守備と、ボールを奪った直後のプレーだ。
対戦の前提――11試合を終え、両者の勝利数は同じ
両チームはともに5勝を挙げており、順位ほど大きな隔たりのない対戦だ。
- 大会:2026/27明治安田J2リーグ 第12節
- 開催日:2026年10月21日(水)
- キックオフ:19:00
- 会場:NACK5スタジアム大宮
- 対戦:RB大宮アルディージャ vs カターレ富山
10月20日取得のJリーグ公式試合ページ掲載情報では、11試合を消化した大宮は2位で5勝5分1敗、富山は4位で5勝4分2敗。勝点差は1となっている。ページの更新日は明示されていないため、ここでは同日掲載時点の数字として扱う。
大宮は前節の鳥栖戦に1-2で敗れ、開幕からのリーグ戦無敗が11試合目で途切れた。2点を追う展開から、加藤聖の直接FKで1点を返したが、同点には届かなかった。
一方の富山は、前節の湘南戦を1-1で終えた。直近のリーグ戦7試合は3勝4分で、負けずに勝点を重ねている。
この違いから、大宮には敗戦後の立て直し、富山には引き分けを勝利へ変える一歩が問われると考えられる。ただし、大宮の1敗だけで調子の下降を決め付けることも、富山の無敗だけで今回の優勢を予測することもできない。
大宮の得点力――クロスを上げる場面から富山との攻防が始まる
大宮の攻撃を見るなら、ゴール前の決定力に加え、そこへボールを届ける過程に注目したい。
大宮はここまでリーグ最多の21得点を記録し、カルリーニョスジュニオは7得点を挙げている。
Jリーグ公式プレビューを執筆した田中直希は、カルリーニョスジュニオを攻撃の中心に位置付け、クロスにアクロバティックに合わせる能力とゴール前の決定力を評価している。
この評価を踏まえると、富山にとっては、中央で最後のシュートを防ぐだけでなく、クロスを上げる選手にどれだけ圧力をかけられるかが重要になりそうだ。大宮が余裕を持ってボールを送り込めれば、カルリーニョスジュニオの持ち味を生かす機会につながると考えられる。
ただし、富山がクロス対応を苦手としているという材料はない。大宮の得意な形があることと、その形で富山を崩せることは別の判断になる。
観戦時には、次の二つをセットで見ると攻防を追いやすい。
- 大宮がクロスを上げる際、富山の守備がどこまで近づけているか。
- ボールがゴール前へ入った際、カルリーニョスジュニオが相手から離れて合わせられるか。
また、前節は加藤聖の直接FKが得点につながった。流れの中のクロスを抑えても、ゴールに近い位置でファウルを与えれば別の得点機会が生まれる可能性がある。富山の対応は、ボールを奪えるかだけでなく、どこでプレーを止めるかまで見たい。
富山の25本――攻撃の多さを、そのまま決定力とは読まない
富山にも攻撃を仕掛ける実績があるが、前節のシュート数だけでは得点機会の質まで判断できない。
富山は湘南戦で、試合全体を通じて25本のシュートを放った。結果は1-1で、得点は1にとどまっている。
この数字は、富山を受け身の相手と決め付けないための材料になる。一方で、25本すべてが決定機だったとは言えず、今回も同じ本数を打てるという予測にも使えない。シュート位置や相手の守備状況が分からない以上、決定力不足と断定するのも早い。
吉平翼の動きを、シュートへつながる過程で見る
富山の吉平翼は、ここまでリーグ戦で4得点を挙げている。
田中は吉平について、前線での豊富な運動量と、ゴールへ向かう意識の高さを持ち味に挙げている。
出場した場合には、吉平がどこでボールを受け、どのようにシュートへ関わるかが注目点になりそうだ。前線で動き続けても、味方からボールが届かなければ得点には近づけない。逆に、大宮の守備を動かした先でボールを受けられれば、富山が攻撃を続ける足掛かりになる可能性がある。
大宮側から見れば、富山のシュートを最後に止めるだけでなく、その前のパスや受け手の動きに対応できるかが問われるだろう。富山の攻撃を許した後まで含めて、大宮の21得点がどう勝利に結び付くかを考えたい。
分岐点は、大宮が前へ出た守備の直後にある
大宮が高い位置で奪えるか、富山がその守備を越えて攻撃を続けられるかが、双方の主導権を左右すると考える。
田中は今回の大宮の注目点として、前線から連動して守備を仕掛け、高い位置で奪って素早く攻撃へ転じられるかを挙げている。
「高い位置」とは、相手ゴールに近い側のエリアを指す。そこで奪えれば、ゴールまで運ぶ距離を短くできる。ただし、これは今回に向けた展望であり、大宮がすでにその守備を安定して実行できているという意味ではない。
大宮は、奪うまでと奪ってからをつなげたい
大宮にとっては、最前線の選手が相手を追うだけでなく、後ろの選手も次のパスを狙える距離にいるかが見どころになりそうだ。守備が連動して富山の選択肢を狭められれば、奪った直後に前を向いて攻める機会が生まれると考えられる。
反対に、奪ってもすぐ後方へ戻す場面が続くなら、前線から守備を仕掛けたことが、そのまま速い攻撃につながっているとは評価しにくい。ボールを奪った場所と、その次の一本のパスまで追うと、大宮の狙いが実を結んでいるかを見分けやすい。
富山は、守備を越えた後に攻撃を続けたい
富山が大宮の前線の守備を越えられれば、今度は大宮が自陣へ戻って対応する展開になる可能性がある。ただし、富山が短いパスと長いボールのどちらを軸に前進するかは、確認できた材料からは特定できない。
見るべきなのは方法を先に決め付けることよりも、守備を越えた後に次のパスやシュートまでつながるかだろう。一度前へ運ぶだけで終わらず、吉平ら前線の選手へボールを届けられるなら、富山が攻撃する時間を増やす条件になりそうだ。
展望――富山の攻撃を止めてこそ、大宮の得点力が生きる
この対戦は、大宮が一方的に攻める構図よりも、両者が相手の攻撃を断って自分たちの好機へ移れるかで見るのが妥当だと考える。
大宮にはリーグ最多21得点とカルリーニョスジュニオの7得点があり、富山にはリーグ戦直近7試合無敗と、前節25本のシュートという材料がある。累計の得点数と1試合のシュート数は直接比較できないが、両者を攻撃の主体として見る根拠にはなる。
先発や配置によって、この攻防の形は変わる。Jリーグが10月19日に発表した出場停止選手に、両クラブの選手は含まれていない。負傷では、富山が9月17日にMF亀田歩夢の負傷(9月13日のトレーニングマッチで受傷。右膝前十字靭帯断裂・内側側副靱帯損傷・外側半月板損傷、全治約10か月)を発表している。カルリーニョスジュニオと吉平翼の出場は当日のメンバー発表で確かめたい。
キックオフ後は、まず大宮が前へ出て守った場面を追いたい。富山のパスを止め、そのままゴールへ向かえるのか。それとも富山が守備を越えてシュートまで持ち込むのか。最初の奪い合いが、どちらの攻撃につながるかが、この試合の見どころになりそうだ。










