栃木SC、3試合無得点をどう断つか 滋賀戦で問われる青島太一の復帰後の一歩
青島太一の復帰を、チームの得点につなげられるか。3試合連続無得点の栃木SCにとって、レイラック滋賀FC戦の焦点はここにある。青島は前節、先発で今季初出場を果たしたが、栃木SCはその試合も無得点だった。復帰は前向きな材料でも、それだけで攻撃の立て直しを見通すことはできない。
対する滋賀には、今季ここまで2得点3アシストを記録する三宅海斗がいる。栃木SCには、得点を求めて前へ出ることと、滋賀の攻撃を担う選手への対応を両立できるかが問われそうだ。
- 栃木SCはリーグ戦6試合勝利がなく、直近3試合は無得点。
- 滋賀もリーグ戦4試合勝利なし。両チームとも前節は得点できなかった。
- 青島の動きが栃木SCの決定機につながるか、三宅が滋賀の攻撃にどう関わるかに注目したい。
対戦の前提――ともに得点と勝利を取り戻したい一戦
両チームとも勝利から遠ざかっており、今回は攻撃の立て直しが共通の課題となる。
- 大会:2026/27明治安田J3リーグ 第12節
- 開催日時:2026年10月21日、13:00キックオフ
- 会場:カンセキスタジアムとちぎ
- 対戦:栃木SC vs レイラック滋賀FC
10月20日確認時点のJリーグ公式試合ページでは、栃木SCは16位、2勝4分5敗。滋賀は11位、4勝2分5敗と掲載されている。いずれも11試合を消化した成績で、敗戦数は同じだが、勝利数には2つの差がある。
栃木SCは前節、アウェイの琉球戦で67分に失点し、0対1で敗れた。これでリーグ戦6試合勝利なし、3試合連続無得点となった。第10節終了時点で米山篤志監督を解任し、濱崎芳己ヘッドコーチが暫定的に指揮を執る体制に移っている。
滋賀は前節、ホームで相模原に0対2で敗れた。76分から3分間に2失点し、リーグ戦4試合勝利なしとなっている。
順位は滋賀が上だが、この差だけで今回の攻撃力や試合の優劣を判断するのは難しい。両チームとも直近の試合では得点できておらず、栃木SCだけに攻撃の改善が求められるカードではない。
青島の復帰を、栃木SCのシュート機会につなげられるか
青島への期待を具体的なものにするには、動きの量や攻守の強度への評価に加えて、チームがどんな得点機会を作るかを見る必要がありそうだ。
復帰戦で示した働きと、残った無得点
副キャプテンの青島は、前節の琉球戦に先発し、今季初出場を果たした。
Jリーグ公式試合ページのプレビューを執筆した鈴木康浩氏は、その青島について、広く動き回り、攻守に強度をもたらしたと評価している。今季初出場ながら、ピッチ上のダイナモとしての働きが評価されている。
ただし、栃木SCの結果は0対1だった。個人の働きへの評価と、チームが得点できたかは分けて考えたい。 無得点という結果は青島の貢献を否定しない一方、復帰によって攻撃が改善したと言い切る根拠にもならない。
今回、青島が起用されるなら、注目したいのは動いた先に何が生まれるかだ。例えば、味方のパスの受け手が増えるのか、奪ったボールを前へ運べるのか、ゴール前でシュートする選手を助けられるのか。これらは今回の観戦で確かめたい点であり、すでに実現している攻撃の特徴を示すものではない。
「前に進む」を、個人だけの仕事にしない
青島は滋賀戦に向け、受け身にならず、前に進んでいくサッカーを見せたいという意志を語っている。栃木SCは前節から中3日で、このホームゲームを迎える。
その意志が得点につながるには、青島の動きに周囲がどう関わるかも重要になりそうだ。ボールを持つ選手に近づくだけでなく、別の選手が相手の背後へ走る、ゴール前に入るといった動きが伴うか。復帰選手一人の奮闘に期待を集めるより、複数の選手が同じ攻撃に関われるかを見たい。
濱崎ヘッドコーチの暫定指揮下で、具体的にどんな攻撃経路を選ぶかは、今回の先発と立ち上がりの配置を見て判断する必要がある。監督交代という出来事だけから、戦い方の変化や効果を先取りすることはできない。
滋賀の三宅海斗――栃木SCは前へ出ながら対応できるか
栃木SCの得点回復を考えるうえでは、滋賀の攻撃を切り離せず、その中心的な注目選手が三宅海斗となる。
三宅は今季開幕から前節まで全試合に先発出場し、2得点3アシストを記録している。今回は古巣・栃木SCとの初対戦となる。
鈴木氏は公式プレビューで、三宅を滋賀の攻撃をけん引する選手と評価し、この試合のキーマンに挙げている。
得点とアシストの両方に実績があるため、三宅についてはシュートだけでなく、その前の味方へのボール供給にも目を向けたい。栃木SCが得点を求めて前へ出る展開になれば、三宅がどこでボールを受け、誰と攻撃を進めるかが一つの観戦ポイントになりそうだ。
一方で、滋賀も前節は無得点だった。2得点3アシストという累積実績は、今回も攻撃が機能する保証ではない。 三宅が関わった先で味方のシュートまで進めるか、滋賀にもチームとしてのつながりが問われる。
両チームを対称に見るなら、焦点は次のようになる。
- 栃木SC:青島の動きが、味方の前進やゴール前の人数につながるか。
- 滋賀:三宅の得点・アシストにつながる働きを、今回もチームの攻撃として引き出せるか。
青島と三宅が直接向き合う配置になるとは限らない。二人の対決に絞るより、それぞれの周囲で味方がどう動くかを見る方が、試合の流れを捉えやすそうだ。
試合の分岐点――先制点の後にも攻撃を続けられるか
先制点は大きな意味を持ちそうだが、その後の試合運びまで含めて立て直しを見極めたい。
栃木SCは前節、67分の失点後に反撃を試みたものの、追いつけなかった。滋賀は76分からの短い時間に2失点した。ただし、この得失点経過だけから、両チームが終盤に弱い、体力に問題があるといった原因までは特定できない。
今回、栃木SCが先制すれば、まず3試合続いた無得点を止めることになる。そのうえで、リード後にも相手ゴールへ進めるか、滋賀に押し込まれた時間をどう抜け出すかが次の焦点になりそうだ。
滋賀が先制した場合は、栃木SCが追う展開でどのように得点機会を増やすかに注目したい。滋賀にとっては、追加点を狙う攻撃と、相手の反撃への対応を両立できるかが問われるだろう。
得点のない時間が続いた場合も、ボール保持の長さだけで優勢を決めつけたくない。相手ゴールに近い場所でボールを受けられているか、シュートまで進めているかを確かめたい。
見通し――復帰への期待を、チームの得点で確かめる試合に
青島の復帰は栃木SCの前向きな材料だが、滋賀戦の打開を見通すには、得点機会の増加と相手の攻撃への対応を合わせて見る必要がある。
復帰した前節も無得点だったという事実が、その出発点になる。青島の働きへの評価を保ちながら、今回どんなシュート機会が生まれるかを追いたい。得点できたとしても、それだけで復帰や監督交代を唯一の原因に結び付けることは避けたいところだ。
滋賀についても同じだ。三宅の実績は期待の根拠になるが、4試合勝利がなく、前節も無得点だった。古巣戦という背景に加え、実際にどこでボールに関わり、味方の攻撃をどう進めるかが重要になる。
勝敗を一方に寄せて予想するより、今回は次の3点を押さえて観戦したい。
- 青島が起用された場合、その動きに連動してゴール前へ入る味方がいるか。
- 三宅がボールを受けた後、滋賀がシュートにつながる攻撃を作れるか。
- 先制点の後、リードする側も追う側も、次の得点機会を作れるか。
栃木SCが欲しいのは、復帰への好評価に続くチームの得点だ。10月21日13時、その一歩をカンセキスタジアムとちぎで示せるかが、まず確かめたい点になる。










