横浜FM、川崎に4―2勝利 1点差の反撃を押し返した41分と56分の追加点
33分に川崎フロンターレが1点差へ迫った後、横浜F・マリノスは41分と56分に追加点を挙げた。2026年11月1日、日産スタジアムで行われた2026/27明治安田J1リーグ第13節は、横浜FMが4―2で勝利した。
何がこの2点差を形づくったのか。得点経過から重く見るべきは、横浜FMが川崎の反撃を受けた後にも加点し、相手の次の得点までに4―1へ広げたことだろう。試合全体の記録でも、横浜FMは保持率で下回りながら、シュート数と枠内シュート数で上回った。
- 川崎が33分に2―1とした後、横浜FMは41分に再び2点差へ広げた。
- 56分の追加点で4―1。川崎の2点目は90+3分だった。
- シュートは横浜FMが16本、川崎が12本。枠内シュートは9本対4本だった。
得点経過――川崎の反撃と横浜FMの再加点
横浜FMは2点を先行し、一度は1点差に迫られたが、3―1で前半を終えた。
Jリーグ公式の試合記録に基づく得点経過は次の通り。スコアは横浜FM―川崎の順で示す。
- 12分:1―0 遠野 大弥(横浜F・マリノス)
- 28分:2―0 近藤 友喜(横浜F・マリノス)
- 33分:2―1 フィリップ ウレモヴィッチ(川崎フロンターレ)
- 41分:3―1 谷村 海那(横浜F・マリノス)
- 56分:4―1 ジェイソン キニョーネス(横浜F・マリノス)
- 90+3分:4―2 大関 友翔(川崎フロンターレ)
川崎の33分の得点は、28分に2点差となってから5分後だった。一方、横浜FMの谷村の得点は、その8分後に生まれている。
この並びからは、横浜FMが序盤のリードを守るだけで勝った試合とは捉えにくい。川崎が次の1点で同点にできる状況をつくったところで、横浜FMが再び点差を広げた。その応酬こそ、最終スコアだけでは見えにくい前半の分岐と考えられる。
勝敗の分岐――41分の3点目と56分の4点目
横浜FMの追加点は、川崎が追いつくために必要な得点数を続けて増やした点に意味がある。
41分、1点差のまま前半を終えなかった
川崎が33分に得点した時点では2―1だったが、谷村の41分の得点によって3―1となった。川崎は前半終了時、同点までに2得点が必要な状況になった。
横浜FMにとって、この3点目の価値は大きかったと考えられる。2―1であれば、川崎の次の1点が同点に直結する。3―1に戻したことで、横浜FMは一度の失点では追いつかれないスコアを取り戻した。
ただし、得点時刻だけから、川崎の守備が反撃直後に緩んだ、あるいは横浜FMが特定の配置変更で上回ったとは判断できない。ここで評価できるのは、追い上げを受けた後の加点が、点差をどう変えたかという部分だ。
56分、川崎の次の得点より先に3点差へ
後半は56分にジェイソン キニョーネスが決め、横浜FMが4―1とした。川崎の次の得点は90+3分の大関によるもので、最終スコアは4―2となった。
41分の得点が2点差を取り戻す一撃だったとすれば、56分の得点は、その幅をさらに広げる一撃だったと位置づけられる。川崎は終盤に1点を返したものの、横浜FMが先に積み上げた3点のリードを埋めるには至らなかった。
この経過を踏まえると、横浜FMの勝利は「川崎を無得点に抑えた守備」では説明できない。川崎に2得点を許しながらも、その間に追加点を重ねたことが、勝敗を分けた重要な要素と考えられる。
スタッツ比較――保持率よりも大きかった枠内シュートの差
試合全体の数値では、川崎の保持率の優位と、横浜FMのシュート本数の優位が同時に表れている。
| 項目 | 横浜F・マリノス(ホーム) | 川崎フロンターレ(アウェイ) |
|---|---|---|
| シュート | 16 | 12 |
| 枠内シュート | 9 | 4 |
| ボール支配率 | 48% | 52% |
| パス成功率 | 79% | 80% |
| コーナーキック | 7 | 4 |
川崎はボール保持率52%、パス成功率80%。横浜FMはそれぞれ48%、79%だった。一方、シュートは横浜FMが16本に対して川崎が12本、枠内シュートは9本対4本。コーナーキックも横浜FMが7本、川崎が4本だった。
横浜FMはシュート総数と枠内の両方で上回った
横浜FMはシュート総数だけでなく、枠内へ飛ばした本数でも川崎を上回っている。
この組み合わせは、4得点を単に「少ない好機を決め切った結果」と見るだけでは足りないことを示唆する。横浜FMは試合全体で、川崎より多くシュートを放ち、より多く枠内に届けた。得点数の差には、シュートへ持ち込んだ本数の差も関わった可能性がある。
ただし、枠内シュート数は決定機の数と同じではない。シュート位置や相手守備の状況が分からなければ、9本と4本の難易度は比較できない。4―2という得点差を、そのまま決定力だけの差に置き換えることも避けたい。
川崎の保持率52%は、攻撃全体の優位を意味しない
川崎は保持率とパス成功率で横浜FMを上回り、得点も前半と後半に一つずつ記録した。
その一方で、川崎がボールを持った時間の長さだけから、攻撃で優勢だったとは結論づけられない。横浜FMがシュート数と枠内シュート数で上回った事実と合わせれば、保持したボールをシュートへつなげる部分に、検討すべき違いがあったと考えられる。
逆方向の解釈にも注意が必要だ。横浜FMの保持率48%を根拠に、意図的にボールを持たせて速攻を狙ったと断定することはできない。保持率は試合全体の集計であり、リード前後の戦い方や、41分・56分の得点を生んだ攻め方まで示す数値ではない。
交代の影響――途中出場の近藤と大関が得点
交代選手の得点は両チームにあったが、その得点が生まれたスコア状況は異なった。
横浜FMでは8分に入った近藤が28分に2―0とする得点を記録。川崎では64分に入った大関が90+3分に4―2とする得点を挙げた。
近藤の得点は横浜FMのリードを広げ、大関の得点は川崎の点差を縮めた。この違いから、途中出場選手の貢献も、単に得点の有無だけでなく、試合のどの状況を変えたかで捉える必要があると考えられる。
横浜F・マリノスの交代
- 8分:ジョルディ クルークス → 近藤 友喜
- 57分:鈴木 冬一 → 井上 太聖、遠野 大弥 → 天野 純
- 70分:天野 純 → 三井寺 眞
- 80分:宮市 亮 → 二田 理央、山根 陸 → 田中 雄大
川崎フロンターレの交代
- 64分:伊藤 達哉 → 山市 秀翔、山本 悠樹 → 大関 友翔
- 78分:三浦 颯太 → 山原 怜音、マルシーニョ → 小林 悠
- 84分:橘田 健人 → 河原 創、フィリップ ウレモヴィッチ → 丸山 祐市
横浜FMが4―1としたのは56分で、57分の2人交代より前だった。川崎の64分の2人交代も、3点を追う状況で行われている。
したがって、これらの交代を横浜FMの4得点や3点差が生まれた理由に結びつけることはできない。大関の途中出場からの得点は評価材料になる一方、交代によって攻撃全体がどう変わったかまでは、この記録だけでは判断できない。
警告の記録
- 前半16分:警告 飯倉 大樹(横浜F・マリノス)
- 後半24分〈69分〉:警告 宮市 亮(横浜F・マリノス)
- 後半27分〈72分〉:警告 井上 太聖(横浜F・マリノス)
- 後半31分〈76分〉:警告 フィリップ ウレモヴィッチ(川崎フロンターレ)
4―2の意味――反撃後の追加点が残した差
この試合の勝敗を得点経過から説明するなら、中心に置くべきは横浜FMの41分と56分の加点だろう。
川崎は33分に1点差へ戻し、終盤にも得点した。横浜FMはその二つの得点の間に2点を加えている。さらに試合全体の記録では、保持率で下回りながらシュート16本、枠内シュート9本を記録し、いずれも川崎を上回った。
横浜FMは追い上げられた後にも得点を重ねた点、川崎は2点差から一度は1点差へ戻し、途中出場の大関も得点した点を評価できると考えられる。一方、横浜FMには2失点、川崎には反撃後の再失点という、勝敗とは別に振り返るべき場面も残った。
次にプレー映像と照らしたいのは、次の2点だ。
- 横浜FMは41分と56分、どこからシュートへ至る道筋をつくったのか。
- 川崎は33分の得点後、次の得点を奪うまでの間に、なぜ追加失点を防げなかったのか。
追い上げを受けても、横浜FMが次の得点を二つ続けて奪った。 4―2の輪郭はそこにあり、その得点を生んだ具体的な攻防が、この試合をさらに掘り下げる焦点になる。










