富山の連勝火力を藤枝は止められるか――勝点6同士が争う第4節プレビュー
カターレ富山は直近2試合で8得点、無失点。対する藤枝MYFCは開幕2連勝後、アルビレックス新潟戦を0-1で落としたものの、3試合を通じた失点はわずか2だ。
この一戦の焦点は明確である。富山が複数の選手をゴール前へ送り込む攻撃を続けられるか、それとも藤枝が接戦へ持ち込み、試合の速度をコントロールするか。勝点6で並ぶ両者の現在地を測る、序盤戦の重要な直接対決になる。
この記事で分かることは次のとおりだ。
- 第4節を迎える両チームの順位と直近成績
- 富山の得点力と藤枝の守備がぶつかるポイント
- 前節の内容から考えられる布陣と注目選手
- 勝敗を左右しそうな試合展開の分岐
対戦の前提――3位富山と5位藤枝が勝点6で並ぶ
数字の上では富山が攻撃で先行し、藤枝が失点を抑えて追う構図だ。
2026/27明治安田J2リーグ第4節は、2026年8月29日(土)18時30分にキックオフされる。会場はカターレ富山の本拠地、富山県総合運動公園陸上競技場だ。
- 大会:2026/27明治安田J2リーグ 第4節
- 対戦:カターレ富山 vs 藤枝MYFC
- 日時:2026年8月29日(土)18:30
- 会場:富山県総合運動公園陸上競技場
- 富山:3位、勝点6、8得点2失点
- 藤枝:5位、勝点6、5得点2失点
- 監督:富山は安達亮監督、藤枝は槙野智章監督
富山は開幕戦でヴァンラーレ八戸に0-2で敗れた後、ブラウブリッツ秋田に4-0、FC今治にも4-0で勝った。2試合続けて4得点を挙げ、得失点差はリーグトップのプラス6。順位も3位まで上げている。
藤枝はベガルタ仙台に2-0、いわきFCに3-1で連勝。第3節の新潟戦では82分に決勝点を許し、0-1で今季初黒星を喫した。それでも3試合すべてを1失点以内に抑えており、大崩れしていない。
直近3試合を並べると、流れの違いが見えやすい。
- 富山:0-2、4-0、4-0/計8得点2失点
- 藤枝:2-0、3-1、0-1/計5得点2失点
藤枝は8月10日、行友祐翔が左第5中足骨を骨折し、復帰まで約3カ月と発表した。富山は荒井悠汰について、右長内転筋損傷で全治約6週間と公表している。
最大の論点――富山の「得点の入口」を藤枝がいくつ閉じられるか
藤枝が警戒すべきなのは一人のストライカーではなく、富山の得点経路の多さだ。
富山の今季8得点は、特定の一人だけに集中していない。第3節の今治戦では古川真人が先制し、オウンゴールを挟んで國武勇斗、吉平翼が加点した。前節だけで異なる選手が3得点を記録している。
第2節の秋田戦でも、髙橋馨希が先制点を奪い、Jリーグ初出場だったカン・ミヌがチョン・ウヨンのCKから得点した。流れの中、セットプレー、途中出場選手の一撃と、入口が分散していることが富山の強みだ。
前線だけを抑えても終わらない
今治戦で富山は3-4-2-1を採用し、古川真人を最前線、小川慶治朗とキム・テウォンをその後方に配置した。髙橋馨希と布施谷翔は中盤の左右に入った。両ワイドと中盤も前へ関わるため、相手が中央のFWだけを監視しても、二列目や交代選手が空いた場所へ入ってくる。
藤枝が守備で問われるのは、次の三つになる。
- 富山の最前線へ入る縦パスを早い段階で制限できるか
- 二列目の選手がペナルティーエリア付近で前を向く回数を減らせるか
- CKやFKを不用意に与えず、競り合い後のこぼれ球まで回収できるか
富山を自陣深くで受け続ければ、守る対象は増えていく。藤枝には最終ラインの対応だけでなく、中盤が一歩前へ出て攻撃の起点を消す作業も必要になる。
藤枝には接戦を続ける守備の土台がある
一方、藤枝は新潟戦で51%のボール支配率を記録した。Jリーグ公式記録では、新潟はシュート8本(枠内4本)、藤枝は7本(枠内1本)で、CKは両チーム4本だった。82分まで無失点で進め、アウェイでも試合を壊さなかった。
新潟戦の被シュートは12本、枠内シュートは3本。藤枝自身のシュートは7本、枠内1本だった。守備は一定の水準を保ったが、攻撃側では相手ゴールを脅かす精度に差が出た試合と整理できる。
富山戦でも藤枝が早い時間帯を無失点で通過できれば、ホーム側には「3試合連続の快勝」を意識する焦りが生まれる可能性がある。藤枝にとっては、耐えるだけでなく、ボールを保持する時間を作って富山の攻撃回数そのものを減らすことが重要だ。
もう一つの分岐――藤枝は奪った後に前進できるか
藤枝の勝機は、富山が攻撃へ人数をかけた直後のスペースを使えるかにかかる。
富山は直近2試合を無失点で終えた。ただし、開幕戦では八戸に2失点している。前へ出る人数が増えるほど、ボールを失った瞬間には背後や脇のスペースが生まれやすい。
藤枝は開幕戦の仙台戦で鈴木翔太と金本毅騎が得点。いわき戦では森侑里が先制し、金本も2試合連続ゴールを記録した。前線の選手だけでなく、DF登録の選手も得点へ関与している点は富山と共通する。
金本毅騎へどう届けるか
金本毅騎は開幕2試合で連続得点を挙げた。富山戦で重要なのは、金本が何度ボールに触るかだけではない。相手守備陣が整う前に、前向きの状態でボールを届けられるかがポイントになる。
藤枝が自陣で奪っても、最初のパスを横や後ろへ戻し続ければ、富山は守備陣形を回復できる。反対に、中盤の上畑佑平士らが素早く前を向き、前線やサイドへ一つ目の縦パスを通せれば、富山の両脇を使う展開が増える可能性がある。
予想される攻防は次の二つだ。
- 富山が高い位置で回収できた場合:二列目を含む連続攻撃になりやすい
- 藤枝が最初のプレスを外した場合:富山の守備陣が後退しながら対応する局面を作りやすい
つまり、主導権は単純なボール保持率だけでは測れない。ボールを奪った直後の一手を、どちらが前向きに出せるかが重要になる。
セットプレーは両チームにとって勝点を動かす武器
流れの中で均衡した場合、セットプレーの一度が試合を決める可能性は高い。
富山は秋田戦で、チョン・ウヨンのCKからカン・ミヌが得点した。チョン・ウヨンのキックと、長身選手を含むゴール前の配置は藤枝が準備すべき要素になる。
藤枝は開幕戦の仙台戦で、CKから鈴木翔太が先制した。金本毅騎の2点目は、松田佳大のパスから生まれた。相手に応じて狙いを変える姿勢は、アウェイの富山戦でも試合設計の鍵になる。
セットプレーでは、最初の競り合いだけでなく、その後が重要だ。
- 富山はキッカーの精度とゴール前へ入る人数
- 藤枝は相手別に用意する配置と動き直し
- 両チーム共通で、クリア後のセカンドボール回収
先制点が入れば、試合の性格は大きく変わる。富山が先に取れば前へ出る藤枝の背後を狙いやすくなり、藤枝が先制すれば富山の攻撃を受けながら速攻へ移る形を選びやすい。
注目選手――数字だけでなく役割を見る
富山は攻撃をつなぐ選手、藤枝は前進を完結させる選手に注目したい。
カターレ富山
- チョン・ウヨン:中盤で攻撃の方向を決め、CKからも得点を演出できる。藤枝が自由に配球させると、中央とセットプレーの両方で後手を踏みやすい。
- 古川真人:今治戦で先制点を記録。最前線で相手CBを引きつければ、小川慶治朗やキム・テウォンが前向きに入る空間を作れる。
- 吉平翼:今治戦では途中出場から得点した。藤枝の古巣でもあり、試合終盤に投入された場合は、疲れた最終ラインへ走り込む動きが脅威になる。
藤枝MYFC
- 金本毅騎:開幕2試合連続得点。新潟戦では無得点に終わっただけに、富山戦では前向きにボールを受ける回数を増やせるかが焦点だ。
- 上畑佑平士:中盤で富山のプレスを受けながら、前進の一手を出す役割が期待される。ここでボールを失えば富山の二次攻撃につながるため、攻守両面で重要になる。
- 鈴木翔太:仙台戦で得点したDF。守備では富山の中央攻撃への対応、攻撃ではセットプレー時の働きが問われる。
試合の見立て――富山優勢の材料はあるが、早い先制が保証されるわけではない
現時点では富山がわずかに優位。ただし、藤枝が前半を接戦に保てば勝敗は最後まで開いたままだ。
富山にはホーム開催、直近2連勝、2試合連続4得点、2試合連続無失点という分かりやすい追い風がある。得点者が分散しているため、藤枝が一人を封じただけでは攻撃全体を止めにくい。
一方で、藤枝も3試合で2失点しかしていない。新潟戦は0-1で敗れたものの、決勝点を許したのは82分だった。富山の攻撃を前半から受け止め、保持と速攻を使い分けられれば、ロースコアへ持ち込む可能性は十分にある。
展開は大きく三つに分かれそうだ。
- 富山が早い時間に先制し、藤枝が前へ出た背後を使って追加点を狙う
- 藤枝が富山の攻撃回数を抑え、セットプレーや速攻の一度で先手を取る
- 両者が中盤で相手の前進を止め合い、終盤の交代策が決定打になる
冒頭の問いに対する答えは、藤枝が富山の得点者を個別に抑えるのではなく、攻撃が始まる地点と二列目の侵入を同時に制限できるかにある。そこまでできれば接戦になる。富山が中盤から自在に前を向けば、直近2試合と同じく複数得点へ近づくだろう。
最初に見るべきは、富山の中盤へ藤枝がどの位置から圧力をかけるか。そして藤枝が奪った直後、横ではなく縦へ一本目のパスを出せるかだ。この二つが、勝点6同士の90分の輪郭を早い段階で示す。
参照リンク
- Jリーグ公式・2026/27明治安田J2リーグ順位表(2026年8月22日第3節終了時点)
- カターレ富山公式・藤枝MYFC戦イベントページ(2026年8月29日開催)
- カターレ富山公式・8月29日藤枝MYFC戦ホームゲーム情報
- Jリーグ公式・富山対今治 試合結果・ラインナップ(2026年8月22日)
- Jリーグ公式・新潟対藤枝 試合結果・データ(2026年8月22日)
- Jリーグ公式・藤枝対いわき 試合結果・データ(2026年8月15日)
- 藤枝MYFC公式・2026/27選手・スタッフ一覧
- 藤枝MYFC公式・行友祐翔選手の負傷発表(2026年8月10日)
- カターレ富山公式・荒井悠汰選手の負傷発表
- Jリーグ公式・藤枝対仙台 試合結果・データ(2026年8月8日)
- カターレ富山公式・2026/27シーズントップチーム体制(2026年6月30日現在)










