MENU

5連敗から再出発へ。湘南ベルマーレ沖縄キャンプで問われる「得点の再構築」

沖縄県名護市の緑のピッチで夏季トレーニングに取り組むサッカーチーム。

5連敗から再出発へ。湘南ベルマーレ沖縄キャンプで問われる「得点の再構築」

湘南ベルマーレは2026年7月13日から26日まで、沖縄県名護市で新シーズンに向けたキャンプを実施した。

このキャンプの核心は、単なる体力づくりではない。百年構想リーグの最終盤を5連敗で終えたチームが、攻撃の出口を作り直しながら、長澤徹監督の下で新たな競争を始める2週間だった。

  • 開催期間:2026年7月13日〜26日
  • 開催地:沖縄県名護市
  • 練習会場:Enagicスタジアム名護
  • 実戦機会:琉球カップ2026を含むトレーニングマッチ
  • 次の公式戦:8月8日のJ2リーグ開幕節、大分トリニータ戦
目次

名護での14日間は、公開練習と実戦を組み合わせた

キャンプは午前・午後のトレーニングと実戦日を交互に配置し、開幕へ段階的に負荷を高める日程だった。

クラブは7月1日に始動。7月11日に城西大学との公開トレーニングマッチを行い、翌12日のオフを挟んで名護へ移動した。

キャンプ初日の13日は16時から公開練習。その後は午前8時の公開練習と午後の非公開練習を組み合わせ、17日と21日にトレーニングマッチを設定した。18日はオフとなり、後半の24日から26日は非公開で仕上げた。

日程の大枠

  • 7月13日:16時から公開練習
  • 7月14〜16日:午前公開、午後非公開
  • 7月17日:トレーニングマッチ
  • 7月18日:オフ
  • 7月19〜20日:午前公開、午後非公開
  • 7月21日:トレーニングマッチ
  • 7月22日:午前非公開、午後にサッカー交流会
  • 7月23日:午前公開、午後非公開
  • 7月24〜26日:非公開

主会場はEnagicスタジアム名護のサッカー・ラグビー場。7月22日には、あけみおSKYドームで「湘南ベルマーレサッカー交流会in名護」も組まれた。

公開日は多かった一方、練習中の写真・動画撮影や、練習内容、参加メンバー、選手のコンディションをSNSなどへ投稿することは禁止された。戦術や起用法に関する情報管理を保ちながら、キャンプ地のファンがチームに触れられる範囲を設けた形だ。

琉球カップは「公式戦に近い実戦」を確保する装置だった

今回のキャンプで最も重要な仕掛けは、異なるカテゴリーのクラブと実戦を重ねられる琉球カップ2026への参加だった。

大会には湘南のほか、浦和レッズ、京都サンガF.C.、V・ファーレン長崎、藤枝MYFC、FC琉球が参加。7月17日、21日、25日の3日間が大会日程に設定された。

これは通常の練習試合を並べただけの企画ではない。クラブ公式発表では、秋春制へ移行するJリーグの新シーズンを前に、公式戦に近い実戦の場を作る取り組みと位置づけられている。

湘南にとって対戦相手の幅には明確な意味があった。

  • 浦和、京都とは、強度や判断速度が高い相手に対して守備を崩さず前進できるかを試せる
  • 長崎、藤枝とは、同じJ2を戦うクラブを相手に開幕後の基準を測れる
  • FC琉球とは、カテゴリーが異なる相手に主導権を握り切れるかが問われる

ただし、クラブのキャンプ案内ではトレーニングマッチの日程が示されたものの、対戦カード、出場メンバー、スコアなどの詳細は掲載されていない。したがって、個々の試合内容や選手評価を結果不明のまま断定することはできない。

ここがポイント: 琉球カップの価値は勝敗だけではなく、強度や戦い方の異なる相手を通じて、開幕前の課題を短期間で洗い出せる点にある。

最大の課題は、守備だけでなく「得点までの道筋」を戻すこと

キャンプで最優先すべきだったのは、終盤に細くなった得点経路の再構築だ。

湘南は明治安田J2・J3百年構想リーグEAST-A第14節で栃木シティに1-2で敗れた後、第15節ではヴァンラーレ八戸に1-0で勝利した。しかし、第16節からプレーオフラウンド第2戦までの5試合はすべて敗れ、合計2得点9失点に終わった。

EAST-Aの最後の4節に限れば2得点6失点。一方、プレーオフを含むシーズン最後の4試合では2得点8失点だった。

5連敗の内訳は次の通りだ。

  • 横浜FC戦:0-1
  • ベガルタ仙台戦:0-2
  • モンテディオ山形戦:1-3
  • いわきFC戦:1-2
  • サガン鳥栖戦:0-1

数字が示すのは、失点の増加だけではない。5試合中3試合が無得点で、複数得点は一度もなかった。1点を失った後に試合を動かす手段が限られ、守備側にも「次の失点は許されない」という負担がかかりやすい状態だった。

必要なのは得点者探しだけではない

攻撃を立て直す際、焦点をセンターフォワードだけに絞ると問題を見誤る。

見るべきなのは、ボールを奪ってから相手ゴールへ届くまでの連結だ。

  • 最終ラインから中盤へ前進する最初のパス
  • 中盤で前を向く選手を作る位置関係
  • サイドからペナルティーエリアへ入る人数
  • クロスやこぼれ球に対する二次攻撃
  • ボールを失った直後に相手のカウンターを止める配置

攻撃時に人数をかければ、ボールを失った瞬間の守備は難しくなる。反対に失点を恐れて後方へ人数を残しすぎれば、前線が孤立する。キャンプで問われたのは、攻撃と守備を別々に直すことではなく、前へ出る人数と後方の備えを一つの設計にまとめることだった。

長澤徹監督の下で、新加入組と若手の序列も動く

チーム作りのもう一つの焦点は、既存戦力と新顔を同じ基準で競争させ、開幕時の組み合わせを定めることだった。

クラブが6月26日に発表した2026/27シーズンの体制では、長澤徹監督が引き続き指揮を執る。登録選手には堂鼻起暉、深澤佑太、上月壮一郎ら新加入選手が名を連ねた。

ただし、クラブは沖縄キャンプの参加者一覧を公表していない。このため、個々の選手が全日程に参加したか、どのポジションで試されたかまでは確認できない。

それでも編成上の論点は見える。新加入選手には既存の約束事を覚えるだけでなく、連敗中に機能しなかった部分へ別の解決策を持ち込む役割が期待される。一方、既存選手にとっては、百年構想リーグでの序列が新シーズンにも保証されるわけではない。

若い選手にも入口がある。トップチームの登録には、二種登録の中村龍と松村秀明、特別指定選手の保田成琉が含まれる。経験の少ない選手を起用するかどうかは年齢ではなく、強度の高い試合でチームの基準を満たせるかで決まる。複数の実戦を組み込んだキャンプは、その判断材料を集める場になった。

公開範囲から見える、ファンとの距離と情報管理

今回のキャンプは公開の機会を確保しつつ、開幕準備の中身は厳格に管理した。

前半から中盤にかけては午前練習を中心に見学可能とし、名護での交流会も実施した。一方、練習中の撮影や内容の投稿を禁じ、最終3日間を非公開とした。

この切り分けは、見学者にとって重要だ。

  • 公開予定でも急きょ変更される可能性がある
  • ファンサービスはチーム状況や選手のコンディションで制限される
  • ホテル内への立ち入りはできない
  • 見学場所やファンサービス場所は現地スタッフの案内に従う

キャンプ終了後も公開練習の日程は変更されることがある。見学を予定する場合は、クラブ公式サイトと公式SNSの当日情報を確認したい。

キャンプの評価は8月の公式戦で決まる

沖縄で積み上げた内容の最初の答えは、8月8日の大分トリニータ戦から表れる。

湘南はアウェイで2026/27明治安田J2リーグの開幕節を迎え、8月15日にはモンテディオ山形とのホーム初戦に臨む。続いて22日はテゲバジャーロ宮崎、29日はRB大宮アルディージャとの対戦が予定されている。

特に山形は、百年構想リーグ終盤に湘南が1-3で敗れた相手だ。前回対戦から守備の距離、前進の方法、ゴール前へ入る人数がどう変わったかを測りやすい。

開幕後に確認したいのは次の4点となる。

  • 無得点の時間帯でも、攻撃を単発で終わらせず押し込み続けられるか
  • 先制された試合で、交代や配置変更によって流れを変えられるか
  • 新加入選手が既存選手とどのような組み合わせを作るか
  • 攻撃に人数をかけた後、カウンターへの備えを残せるか

キャンプ中の非公開部分や未公表の練習試合結果は、外部から細かく採点できない。だからこそ、評価基準は明快だ。最終盤の5連敗で細くなった得点への道筋が、開幕戦のピッチで再びつながるか。まず見るべきは、その一点である。

参照リンク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次