MENU

富山の「10得点」を磐田は止められるか――第5節は中盤の主導権が焦点

富山の「10得点」を磐田は止められるか――第5節は中盤の主導権が焦点

富山の「10得点」を磐田は止められるか――第5節は中盤の主導権が焦点

リーグ戦2連勝中のジュビロ磐田が、4試合で10得点を記録しているカターレ富山を迎える。

最大の焦点は、富山が中盤から攻撃の人数を増やす前に、磐田がボールを奪って前向きに攻められるかだ。磐田が相手の展開を早い位置で遮断できればリーグ戦3連勝へ近づく。一方、富山が最初の圧力を外せば、得点力を生かす展開へ持ち込める。

この記事で押さえたいポイントは次の3つだ。

  • 磐田は7位、富山は9位。勝点差はわずか1
  • 磐田は直近のリーグ戦2試合で連勝、富山は4試合でリーグ最多タイの10得点
  • 磐田のイアゴ・テレスと、富山のチョン・ウヨンをめぐる中盤の攻防が重要
目次

対戦の前提――勝てば上位争いへ踏み込める一戦

第5節の段階ながら、勝点3の価値が順位以上に大きいカードだ。

  • 大会:2026/27明治安田J2リーグ 第5節
  • 対戦:ジュビロ磐田 vs カターレ富山
  • 開催日:2026年9月6日(日)
  • キックオフ:19:00
  • 会場:ヤマハスタジアム(磐田)
  • 磐田:7位、2勝1分1敗、勝点7、7得点6失点
  • 富山:9位、2勝0分2敗、勝点6、10得点5失点

磐田は開幕から1分1敗だったが、徳島ヴォルティスに2-1、栃木シティに3-1で勝利した。4試合すべてで失点している一方、直近2試合では計5得点。攻撃の上向きが連勝に結びついている。

富山はヴァンラーレ八戸に0-2で敗れた後、ブラウブリッツ秋田とFC今治にともに4-0で勝利。第4節では藤枝MYFCに2-3で敗れた。勝った2試合はいずれも無失点だが、敗れた2試合では計5失点している。得点力は高いものの、試合ごとの振れ幅も大きい。

監督は磐田が秋葉忠宏、富山が安達亮。両クラブの公式選手・スタッフ情報でも、それぞれ現職の監督として掲載されている。

数字が示す違い――磐田の強度と富山の保持力

両チームの違いは、ボールを持つ時間よりも、攻撃へ移る方法に表れそうだ。

Jリーグ公式のクラブスタッツでは、磐田の平均ボール保持率は51%、1試合平均パス数は425.5本。富山は保持率58.2%、平均622.5本で、ともに磐田を上回る。

ただし、保持率がそのまま優位を保証するわけではない。磐田は空中戦勝利が1試合平均18.8回で、富山の14回より多い。競り合いからセカンドボールを回収し、短い手数で前進できれば、富山が守備の配置を整える前にゴールへ迫れる。

対して富山は、ボールを動かしながら相手を押し下げる展開が有力な選択肢になる。第3節の今治戦では3-4-2-1を採用し、古川真人、國武勇斗、吉平翼ら複数の選手が得点した。得点源が一人に偏っていないため、磐田は中央だけを閉じても十分ではない。

ここがポイント: 磐田は富山のパス本数を減らすことより、パスの出口を限定して前向きに奪える位置へ誘導できるかが重要になる。

最大の攻防――チョン・ウヨンの前進を誰が止めるか

富山の攻撃を抑える鍵は、中盤のチョン・ウヨンに自由な配球時間を与えないことだ。

チョン・ウヨンは開幕4試合にフル出場し、公式データでチャンスクリエイト総数14を記録している。守備陣からボールを受け、前線や幅を取る選手へ届ける役割を担える存在だ。2013年に磐田でプレーした経験もあり、今回は古巣との対戦になる。

磐田が前線から強く追っても、その背後でチョン・ウヨンが前を向けば、富山は人数をかけて押し上げられる。反対に、磐田が中央へのパスを遮りながらサイドへ追い込み、受け手を背中向きにできれば、回収後に短い距離でゴールへ向かえる。

この駆け引きでは、磐田のユーリ・ララも重要になる。公式データではチーム最多のデュエル勝利数12。富山の中盤やシャドーが中央へ入る局面で競り勝てれば、守備を攻撃の起点へ変えられる。

ただし、ユーリ・ララが前へ出た背後を使われれば、富山の前線に中央で時間を与えてしまう。追う選手と残る選手の役割分担が曖昧にならないことが前提だ。

磐田の攻撃――イアゴ・テレスをどこで前向きにするか

磐田の勝ち筋は、イアゴ・テレスを低い位置の組み立てに拘束せず、ゴールへ向かえる場所で使うことにある。

イアゴ・テレスは開幕4試合で3得点。第5節を前にリーグ戦2試合連続で得点しており、磐田の攻撃で最も明確に結果を残している。

富山が3バックを基調とする場合、磐田はその両脇とウイングバックの背後を狙える。イアゴ・テレスが外で受けて一対一を仕掛けるだけでなく、内側へ入り、サイドバックや別の攻撃選手が外を追い越す形を作れれば、富山の最終ラインに判断を迫れる。

磐田が避けたいのは、中央でボールを失い、富山に整った形で前進されることだ。攻撃時には次の優先順位が考えられる。

  • イアゴ・テレスが前向きに受けられる位置まで素早く運ぶ
  • 富山のウイングバックを下げ、前線との距離を広げる
  • シュートで終えて、中央からのカウンターを受ける回数を減らす

富山の守備は2試合を無失点で終えた一方、藤枝戦では3失点した。磐田が早い時間帯に最終ラインを動かし続ければ、富山の守備ブロックにずれが生まれる可能性がある。

ホームとアウェイの傾向をどう読むか

会場の違いより、先制点が両チームの長所を引き出す分岐点になりそうだ。

磐田は今季のリーグ戦でヤマハスタジアムを2度使い、秋田と1-1、徳島に2-1。ホームでは1勝1分で、いずれも得点している。もっとも、無失点試合はまだない。

富山はリーグ戦のアウェイ2試合で1勝1敗。八戸には0-2で敗れたが、秋田には4-0で勝った。敵地だから守備的になるという単純な傾向ではなく、試合を動かせたときの爆発力がある。

先制した場合、磐田はホームの勢いを使って相手を前へ出させ、空いた場所を狙える。富山が先に取れば、磐田が追うことで中盤にスペースが広がり、富山のパスワークが生きやすくなる。

両チームとも9月2日にルヴァンカップを戦った。磐田はSC相模原戦でリーグ前節から先発全員を入れ替えて3-0で勝利し、富山もテゲバジャーロ宮崎に2-1で勝った。短い準備期間の中で、選手交代を含めた強度の管理も後半の展開を左右する。

注目選手とマッチアップ

個人の数字を見ると、中央の攻防と両サイドの前進がそのまま得点機へつながる。

イアゴ・テレス vs 富山の右サイド

磐田のイアゴ・テレスは3得点に加え、デュエル勝利数11を記録している。仕掛けを止めるため富山が複数人を寄せれば、中央や逆サイドにスペースが生まれる。富山は一人で対応し続けるのか、中盤の選手を戻して挟むのかを試合中に選ばなければならない。

チョン・ウヨン vs 磐田の中央守備

チョン・ウヨンが磐田の最初のプレスを越えれば、富山は両サイドを高い位置へ押し上げやすくなる。磐田はボール保持者へ寄せるだけでなく、その次の受け手を消す連動が必要だ。

富山の複数得点源 vs 磐田の最終ライン

富山では吉平翼、キム・テウォン、古川真人が各2得点を記録している。磐田の守備は特定のストライカーだけに注意を集中できない。ボックス内へ遅れて入る選手まで受け渡せるかが問われる。

出場状況――確定情報と直前まで残る不確実性

磐田は公表済みの負傷離脱を踏まえつつ、ルヴァンカップで生まれた選択肢をどう使うかが焦点になる。

Jリーグ公式クラブページは、磐田の植村洋斗について全治8〜10週間、甲斐佑蒼について全治3カ月の負傷発表を掲載している。

一方、2026年9月5日時点で確認した公式試合ページには、第5節の先発、控え、出場停止選手は掲載されていない。富山の負傷者についても、本稿で確認した公式ページから第5節の欠場を断定できる発表は確認できなかった。

したがって、予想布陣を固定するのは早い。特に磐田は相模原戦で先発全員を入れ替えて勝利しており、秋葉監督にはリーグ前節のメンバーを継続する案と、カップ戦で結果を出した選手を加える案がある。

試合展開の見立て――磐田が奪う位置を高くできるか

本記事の見立てでは、磐田が中盤で富山の前進を止められるかどうかが勝敗を分ける。

序盤は富山がパスをつなぎ、磐田が前から圧力をかける構図が考えられる。磐田が高い位置で奪えば、イアゴ・テレスらが富山の守備陣と近い距離で勝負できる。ここでは磐田が優位を得やすい。

富山がその圧力を越えれば、状況は逆転する。チョン・ウヨンを中心にサイドへ展開し、複数の選手がペナルティーエリアへ入れば、4試合で10得点を挙げた攻撃力が発揮される可能性がある。

勝敗予想を一方へ大きく傾けられる材料はまだ少ない。ただし、展開の分岐は明確だ。

  • 磐田が中央で前向きに奪う:ホーム側が速攻で主導権を握る
  • 富山が最初のプレスを外す:アウェイ側が保持と人数を生かせる
  • 先制点が遅れる:交代選手の質と、連戦後の運動量が重くなる

冒頭の問いへの答えは、磐田が富山の攻撃を自陣深くで受けるのではなく、中盤で止められるなら抑え込める、となる。9月6日19時、最初に見るべきなのはボール保持率ではない。チョン・ウヨンが前を向く回数と、イアゴ・テレスが相手ゴール方向を向いて受ける位置だ。

参照リンク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次