SC相模原、夏季キャンプ発表なしでも見える開幕準備 2試合6得点と愛川の新拠点が示す焦点
SC相模原について、2026年8月2日時点で日程や開催地、参加メンバーを明記したトップチームの「夏季キャンプ」公式発表は確認できない。
一方、開幕へ向けた実戦準備は進んでいる。7月には青山学院大学、アスルクラロ沼津とのトレーニングマッチで計6得点。さらに、愛川町三増公園陸上競技場が新たな練習拠点として示された。今夏の焦点は遠征型キャンプの有無ではなく、実戦を重ねながら攻撃陣の競争と新シーズンの形を固められるかにある。
この記事で押さえたい点は次の通りだ。
- 公式発表で確認できる夏の実戦は、7月9日と18日のトレーニングマッチ
- 2試合はいずれも勝利し、90分ずつの実戦で合計6得点
- 中山陸、常田克人、竹内崇人らが得点者として記録された
- 愛川町三増公園陸上競技場が新たな練習拠点となった
- 2026/27明治安田J3リーグは、8月8日のロアッソ熊本戦で開幕する
公式発表から整理するSC相模原の夏
確認できるのは、合宿形式のキャンプではなく、複数会場で組まれた実戦中心の準備だ。
7月に公表されたトレーニングマッチは次の2試合。いずれも総計90分で行われ、SC相模原が勝利した。
7月9日:青山学院大学戦
IIMURO GLASS 綾瀬市民スポーツセンターで、30分を3本実施。SC相模原が3-2で勝った。
- 1本目:1-0
- 2本目:0-1
- 3本目:2-1
- 得点者:常田克人、竹内崇人2得点
3本に分けた試合では、途中で出場選手や組み合わせを変えやすい。クラブは出場メンバーを公表していないため具体的な起用法までは判断できないが、竹内崇人が3本目に2得点を記録した事実は、開幕前の競争を見るうえで分かりやすい材料になる。
7月18日:アスルクラロ沼津戦
愛鷹広域公園多目的競技場で、45分を2本実施。SC相模原が3-1で勝利した。
- 1本目:1-1
- 2本目:2-0
- 得点者:中山陸、竹内崇人、練習生
こちらは通常の試合に近い45分ハーフだった。先に失点を含む1-1の45分を経験し、続く45分を無失点の2-0で終えた。ただし、クラブ発表には出場メンバー、得点時刻、交代、シュート数などが掲載されていない。スコアだけから試合内容や戦術の完成度を断定することはできない。
ここがポイント: 2試合で勝敗以上に重要なのは、30分×3本と45分×2本という異なる形式で計180分の実戦を確保し、複数の得点者が出たことだ。
6得点が示す競争と、数字だけでは分からない課題
得点者の分散は前向きな材料だが、開幕用の攻撃が完成した証明ではない。
2試合の得点者には、守備を本職とする常田克人、攻撃に関わる中山陸、2試合連続で計3得点を挙げた竹内崇人が並ぶ。さらに沼津戦では練習生も得点した。
この分散から読み取れるのは、特定の一人だけに得点が集中しなかったことだ。セットプレー、前線からの守備、選手交代後の攻撃など、得点に至る経路が複数あれば、長いリーグ戦で相手に的を絞られにくくなる。
ただし、公式発表には得点場面の詳細がない。したがって、次の点は未確認のままだ。
- 流れの中から崩した得点だったのか
- セットプレーが機能したのか
- 前線の守備から短い距離でゴールへ迫ったのか
- 主力候補と控え候補のどの組み合わせで得点したのか
- 開幕を想定した布陣を何分間試したのか
特に注目したいのは竹内だ。青山学院大学戦の3本目で2得点し、続く沼津戦でも得点した。相手のカテゴリーや出場時間をそろえた比較ではないため単純評価はできないものの、異なる2試合で得点者として記録された継続性には意味がある。開幕メンバー争いで次に必要なのは、J3の公式戦でも同じようにゴール前へ入り、決定機を結果へ変えられるかだ。
一方、2試合とも失点はあった。合計スコアは6得点3失点。攻撃の結果が出た反面、無失点で終えたのは計5本のうち3本だった。
失点の形が公表されていない以上、守備の問題を個人や特定の局面へ結びつけることはできない。それでも、開幕後はトレーニングマッチより交代枠も試合運びも厳しくなる。リード時に相手の反撃をどう抑えるか、失点後に試合を崩さず立て直せるかは、実戦で確認したい論点になる。
愛川の新練習拠点が持つ意味
愛川町三増公園陸上競技場は、一日のイベント会場にとどまらず、日常の強化を支える新拠点として位置づけられた。
クラブは7月26日、愛川町文化会館で「2026/27 SC相模原キックオフ・ブリーフィング」を開催。その後、プロ仕様に改修された愛川町三増公園陸上競技場で、アスルクラロ沼津とのグラウンドリニューアル記念マッチを行う計画を発表した。
この流れには二つの意味がある。
練習環境を継続的な強化へつなげる
遠征型キャンプは短期間に練習と生活を集中させられる。一方、シーズンを通して使える練習場は、毎週の準備を積み上げる場所になる。
クラブが同競技場を「新たな練習拠点」と明記したことは重要だ。ピッチ状態、移動負担、トレーニング時間の確保といった日常の条件は、選手のコンディション管理や反復練習の質に直結する。夏だけで終わらない基盤だからこそ、開幕後にどの程度活用されるかを見たい。
地域との接点をチーム作りに重ねる
キックオフ・ブリーフィングではクラブの目標や方針を共有し、その日の午後にプレシーズンマッチを組んだ。クラブの考えを聞いた後、実際のチームを見るという導線だ。
新拠点のお披露目と新シーズンの始動を同じ日に置いたことで、愛川町での活動がトップチームの準備と結びついた。練習場が定着すれば、地域にとってもクラブを日常的に感じられる場所になり得る。
「夏季キャンプ」と呼ぶ前に区別したいこと
現時点では、確認できた準備活動を一括して「夏季キャンプ」と表現しないほうが正確だ。
一般にキャンプと呼ばれる活動では、クラブから期間、開催地、参加体制、練習公開の可否、トレーニングマッチなどがまとめて案内される。SC相模原については、2026年8月2日時点でそれらを一つのキャンプとして示す公式発表を確認できない。
公表済みなのは、個別のトレーニングマッチ、新練習拠点、プレシーズンイベント、そしてリーグ開幕日程だ。そのため、現段階で整理できる線引きは明快になる。
- 実施を確認できる:7月のトレーニングマッチ、新練習拠点での記念マッチ
- 確認できない:夏季キャンプの期間、宿泊地、全参加メンバー、キャンプ独自の練習計画
- 今後更新され得る:練習公開、追加の練習試合、選手の参加状況
キャンプ情報が後日公表された場合は、日程や公開範囲が変更される可能性も含め、SC相模原公式サイトと公式SNSで最新情報を確認したい。
開幕後に見るべき3つの答え
準備の評価は、8月8日のロアッソ熊本戦から始まる公式戦で決まる。
Jリーグ公式の日程では、SC相模原は8月8日18時、相模原ギオンスタジアムでロアッソ熊本との2026/27明治安田J3リーグ第1節に臨む。続いて8月15日にザスパ群馬とアウェイで対戦し、23日にはツエーゲン金沢をホームに迎える。
序盤3試合で注目したいのは次の点だ。
- 得点の再現性:トレーニングマッチで複数選手が得点した流れを、J3の強度でも続けられるか
- 90分の守備管理:リード時や交代後も守備の基準を落とさず、失点を抑えられるか
- 競争から序列への移行:竹内崇人ら結果を残した選手が、開幕戦のメンバーや途中出場でどの役割を担うか
8月29日の第4節は、沖縄県総合運動公園陸上競技場でFC琉球と対戦する。ホームとアウェイが交互に続く日程のなかで、コンディションを保ちながら勝点を積み上げなければならない。
夏の準備で得たものを測る最初の基準は、キャンプという名称ではない。複数の得点源を公式戦へ持ち込み、新拠点での反復を90分の安定へ変えられるか。まずは熊本との開幕戦で、その答えがピッチに表れる。










