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清水エスパルスはなぜ磐田に1-5で敗れたのか 公開TRMで見えた課題と収穫

ヤマハスタジアムで公開トレーニングマッチを戦う清水と磐田の選手たち。

清水エスパルスはなぜ磐田に1-5で敗れたのか 公開TRMで見えた課題と収穫

清水エスパルスは7月25日、ヤマハスタジアムで行われたジュビロ磐田との公開練習試合に、4本合計1-5で敗れた。

最大の課題は、1・2本目の90分間で4点を許し、得点できなかったことだ。公開情報だけで守備の崩れ方やボール保持の質までは断定できないが、磐田が得点者を変えながら短い間隔でも加点した事実から、清水は試合の流れを切り、立て直すところに問題を残した。

一方、3・4本目に限れば合計1-1。住吉ジェラニレショーンがジャーメイン良のアシストから1点を返したことは、結果の中に残った明確な収穫である。

この記事で分かること

  • 1-5という総スコアを生んだ時間帯
  • 公開記録から確実に指摘できる清水の課題
  • 3・4本目で得た収穫と、その評価に必要な注意点
  • 8月8日の名古屋グランパス戦までに確認したい改善点
目次

敗因の中心は、最初の90分で流れを止められなかったこと

清水の敗戦を最も重くしたのは、1・2本目を合計0-4で終えた試合運びである。

試合は45分×4本で行われ、1・2本目は20分経過後に5分間のクーリングブレイクが入った。両クラブの公式発表によるピリオド別スコアは次の通りだ。

  • 1本目:ジュビロ磐田 1-0 清水エスパルス
  • 2本目:ジュビロ磐田 3-0 清水エスパルス
  • 3本目:ジュビロ磐田 1-0 清水エスパルス
  • 4本目:ジュビロ磐田 0-1 清水エスパルス

1本目は開始3分、植村洋斗に先制を許した。準備してきた配置や役割を試す前に追う展開となり、清水にとっては難しい入りだった。

さらに2本目は、18分に井上潮音、21分に小池直矢、40分に再び井上が得点。特に18分から21分までの3分間で2失点した点が重い。一つの失点後に守備位置やプレー選択を整えられず、短時間で差を広げられたからだ。

ここがポイント: 1-5という結果を一括りにするより、最初の90分が0-4、後半の90分が1-1だったと分けて見るほうが、課題と収穫を正確に捉えやすい。

公開情報から見える三つの課題

詳細スタッツや映像アーカイブがないため、戦術評価は得点経過と公開メンバーから確認できる範囲に限る必要がある。

支配率、シュート数、xG、パス成功率、決定機数は公表されていない。「内容で圧倒された」「守備が崩壊した」とまで言い切る材料はない。その前提で、公式記録から確実に残る課題を整理する。

1.失点直後の立て直し

2本目の18分と21分に連続して失点した事実は、試合運びの改善点を示している。

失点後は、前から奪い返しに行くのか、いったん陣形を整えるのかをチームでそろえる必要がある。どちらを選んだかは公開記録から確認できない。ただし、3分後に再び失点した以上、悪い時間を短く終わらせる対応は次の試合へ向けた重要課題になる。

吉田孝行監督は直前の欧州キャンプで、相手の出方を把握してハーフタイムに修正したことや、戦術理解と共通認識を深める必要性を語っていた。磐田戦では、開始直後と失点直後にその修正力を発揮できなかったことが、スコアに表れたと考えられる。

1・2本目にはクーリングブレイクもあった。公式戦とは異なる条件ながら、プレーが止まる時間を修正に使えたかは検証すべき点だ。

2.ユニット変更だけで流れを変えられなかった

清水は各本のメンバーを公表している。1本目と2本目では複数選手が継続して出場し、2本目の途中には次の交代を行った。

  • 25分:沖悠哉から石川慧
  • 25分:北爪健吾から土居佑至
  • 43分:小塚和季から日髙華杜

しかし2本目は3失点。途中交代後も40分に井上の2点目を許した。

これは交代した選手個人の責任を意味しない。むしろ、メンバーを替えたときにも守備の基準やボールを前へ運ぶ手順を共有し、チーム全体で流れを変える必要があるということだ。

吉田監督は欧州キャンプ最終戦後、11人全員が高い強度と戦術理解を持ち、攻守にアグレッシブにプレーする必要があるとの考えを示していた。誰が出ても同じ基準で戦うことを目指すチームにとって、組み合わせによって安定感に差が出た点は見過ごせない。

3.得点までに140分を要した

清水の得点は4本目5分だった。試合開始から数えれば、3本分の135分を無得点で終えた後の一撃である。

シュート数や決定機数がない以上、「決定力不足」だけを敗因にはできない。そもそも好機を作れなかったのか、最後の精度を欠いたのかは区別できないからだ。

それでも、3本目まで無得点だった事実は残る。名古屋戦へ向けては、次の過程を分けて確認したい。

  • 最終ラインから中盤へ安定して届けられるか
  • 相手陣内で前向きにボールを受けられるか
  • クロスやラストパスをシュートまでつなげられるか
  • 奪った直後に人数をかけて前進できるか

収穫は後半2本の1-1と、役割の異なる選手を試せたこと

結果の中で最も具体的な収穫は、3・4本目の90分間を1-1で終えたことだ。

3本目15分にジョアン・ヴィクトルの得点で0-1とされたが、4本目5分に住吉がジャーメインのアシストから取り返した。4本目だけなら清水が1-0で勝っている。

住吉とジャーメインが残した得点の形

公式記録で確認できる清水の得点は、ジャーメインから住吉への組み合わせだった。

得点場面の詳細が公開されていないため、セットプレーだったのか、流れの中だったのかは断定できない。それでも、守備を主務とする住吉が仕留め、前線のジャーメインがアシストした事実には意味がある。得点源を特定のアタッカーだけに頼らない形は、公式戦で相手の警戒を分散させる材料になる。

住吉は今季のキャプテン就任時、負けている厳しい状況でこそ前向きな声を出し、自ら先頭に立って発信したいと語っている。0-5の状況から一矢を報いた今回の得点は、その役割をプレーでも示したものと受け止められる。

重要なのは、得点そのものを評価して終わらないことだ。どの位置でボールを奪い、誰が前進させ、どう住吉まで届けたのか。その過程を映像やチーム内データで再確認し、再現できる形にする必要がある。

3・4本目は異なる組み合わせを試した

3・4本目には梅田透吾、ディエギーニョ、カピシャーバ、ジャーメイン、住吉らが出場。3本目32分には藤井智也からオ・セフン、4本目25分には本多勇喜から高橋祐治へ交代した。

梅田の好守を評価する観戦者の反応もあるが、セーブ数などの公式データはないため、個人評価は参考の範囲にとどめたい。確実に言えるのは、このユニットが90分合計で1得点1失点だったことだ。

また、1本目にはウォン・ドゥジェが出場した。新加入選手を含む組み合わせを実戦で試せたこと自体は前進だが、今回の結果だけで中央の安定や連係の完成を評価することはできない。8月8日までに、周囲との距離や守備時の役割をどこまで合わせられるかが焦点になる。

磐田の新戦力に対応し切れなかった清水

清水にとって厳しかったのは、磐田が既存戦力だけでなく新しい選択肢からも得点したことだ。

磐田では井上が2得点。植村に加え、7月24日にJFA・Jリーグ特別指定選手認定が発表された小池もゴールを挙げた。さらに、7月17日に期限付き加入が発表されたジョアン・ヴィクトルが3本目に得点している。

得点者が4人に分散したため、清水は一人を抑えるだけでは失点を止められなかった。公開記録の範囲では、異なる時間帯とメンバー構成に対し、守備の基準を継続できなかったことがうかがえる。

相手の新戦力が結果を残した事実以上に、清水が注目すべきなのは、自分たちの守備が相手の変化にどう対応したかだ。吉田監督が掲げる、相手を分析しながら選手の迷いを減らし、自分たちの長所を生かす戦いを実現するには、試合中の情報共有と修正の速さを高める必要がある。

吉田孝行監督が求める基準から見た1-5

今回の敗戦は、吉田孝行監督がチームに求めてきた「強度」「戦術理解」「共通認識」の現在地を確かめる材料になった。

吉田監督は就任時、練習のための練習ではなく、試合を想定したトレーニングを重ねることが重要だと説明した。また、試合後に良かったプレーと反省点を振り返ることで、チームの基準が形作られていくとの考えも示している。

その基準に照らすと、開始3分の失点、2本目の3分間での連続失点、3本目までの無得点は、名古屋戦までに整理すべき具体的な材料だ。単に「練習試合だから」と片づけるのではなく、なぜ選手間の判断がそろわなかったのかを振り返る必要がある。

一方で、吉田監督は欧州キャンプ中、ピッチで生じたエラーについて原因と守る場所を共有し、試合中に改善できたことを成果として挙げていた。今回も、最初の90分を0-4とした後、後半の90分を1-1にとどめた点には、メンバー構成の違いを考慮しても一定の立て直しが見える。

ただし、吉田監督が目指しているのは、一部の組み合わせだけではなく、誰が出ても高い強度と共通認識を保てるチームだ。1-5という結果から問われるのは、監督の方針そのものより、その基準を全選手がピッチでどこまで共有できているかである。

名古屋戦までに見るべき三つの改善点

清水が8月8日の名古屋グランパス戦までに優先すべきなのは、戦術を増やすことより、試合中の共通基準をそろえることだ。

今回の公開練習試合から持ち帰るべき確認事項は三つある。

  1. 開始直後の守備
    1本目3分の失点を繰り返さず、立ち上がりから相手の前進をどこで止めるか。

  2. 失点後の3分間
    2本目の連続失点を教訓に、誰が声をかけ、ラインを整え、次のプレーを落ち着かせるか。キャプテンの住吉だけに任せず、チーム全体で前向きな声を掛け合えるかも重要になる。

  3. 4本目の得点を再現できるか
    住吉の得点に至った攻撃を分解し、名古屋戦でも使える形として共有できるか。

公開配信は静岡新聞社・静岡放送のアプリ「@S+」内「シズサカ」で行われたが、クラブSNSではアーカイブがないと案内された。外部から完全に再検証することは難しい。だからこそ、1-5だけで悲観するのでも、後半2本の1-1だけで安心するのでもなく、クラブ内部の映像とデータによる検証が重要になる。

次の注目点は明快だ。名古屋戦までに、開始3分の失点、3分間の連続失点、そして4本目の得点を、チームがそれぞれどのように修正・再現するか。 吉田監督が重視する試合後の振り返りが、公式戦のピッチでどのような変化となって現れるかを見届けたい。

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