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2戦連続2-2に見えた手応えと宿題 アルビレックス新潟・八重瀬町キャンプを読み解く

沖縄の青空の下で夏季キャンプに取り組むサッカーチーム。

2戦連続2-2に見えた手応えと宿題 アルビレックス新潟・八重瀬町キャンプを読み解く

アルビレックス新潟が沖縄県八重瀬町で行った夏季キャンプでは、ジュビロ磐田、サガン鳥栖との公開トレーニングマッチがともに2-2で終わった。

ただし、同じスコアでも内容は違う。磐田戦では2点を追いつく力を示し、鳥栖戦では攻撃の連動性に手応えを得る一方、リードを守り切るための守備が課題として残った。船越優蔵監督の新体制が、実戦を通じて攻守の基準を作った11日間だった。

この記事で分かること

  • キャンプは2026年7月7日から17日まで、沖縄県八重瀬町で実施
  • 公開された磐田戦と鳥栖戦はいずれも4本合計2-2
  • 練習では攻守の切り替え、サイド攻撃、最終ラインからのビルドアップを確認
  • 笠井佳祐が2試合連続で得点し、新加入選手や若手も競争に加わった
  • 2026/27明治安田J2リーグ開幕戦は8月8日のRB大宮アルディージャ戦
目次

八重瀬町で過ごした11日間の全体像

今回のキャンプは、シーズン中盤の立て直しではなく、秋春制移行後初の2026/27シーズンへ向けて新チームを組み上げる準備期間だった。

アルビレックス新潟は6月30日に新体制を発表し、船越優蔵監督のもとで7月1日に始動。7月7日に沖縄へ移動し、翌8日から八重瀬町スポーツ観光交流施設で本格的なトレーニングに入った。

主な日程は次の通りだ。

  • 7月7日:沖縄へ移動
  • 7月8日:午前・午後の2部練習
  • 7月9日:ジュビロ磐田とのトレーニングマッチ
  • 7月10日:台風9号接近により屋内練習へ変更、非公開
  • 7月11日:台風の影響と来場者の安全を考慮し、予定変更のうえ非公開
  • 7月12日:午前・午後の公開練習
  • 7月13日:サガン鳥栖とのトレーニングマッチ
  • 7月14日、15日:トレーニング
  • 7月16日:シンガポール代表との完全非公開トレーニングマッチ
  • 7月17日:新潟へ移動

一般公開された対外試合は、磐田戦が30分×4本、鳥栖戦が35分×4本という変則形式だった。通常の90分とは条件が異なるため、結果だけで公式戦の強さを測ることはできない。一方、多くの選手を実戦で試し、組み合わせを変えながら共通理解を深めるには適した形式だった。

台風9号によって2日間の予定が変わった点も見逃せない。屋外での練習時間が削られたものの、12日には2部練習を実施。クラブのキャンプレポートによると、短時間のゲーム形式、攻守の切り替え、サイド攻撃、最終ラインからのビルドアップに取り組んだ。

磐田戦で見えた「追いつく力」

最初の対外試合で得た最大の収穫は、相手の強度に戸惑いながらも、自分たちのテンポを取り戻して2点差を追いついたことだ。

7月9日のジュビロ磐田戦は、30分×4本の合計で2-2。新潟は2本目に2失点したが、同じ2本目に桑山侃士がヘディングで1点を返し、3本目には笠井佳祐が同じく頭で同点ゴールを決めた。

船越監督は試合後、序盤は相手の強度やスピード感に慣れず、狙った展開に運べなかったと振り返った。その一方で、メンバー変更を挟みながら徐々に新潟のテンポを取り戻せた点を評価している。

この試合が示したものは明快だ。

  • 対外試合特有の強度への適応には時間がかかった
  • 失点後もプレーの速度を上げ、試合の流れを戻した
  • 桑山と笠井という若い攻撃陣が得点で競争力を示した
  • 2得点はいずれもヘディングで、クロスからゴール前へ入る形が結果につながった

始動から間もないチームにとって、序盤から完成された連係を見せることより、試合中に問題を認識して修正できるかが重要になる。磐田戦では、その最低限の反応が確認できた。

桑山侃士が早くも示した存在感

FC町田ゼルビアから期限付き移籍で加入した桑山は、新体制最初の対外試合で得点した。キャンプ初日のレポートでも、周囲とのコミュニケーションに積極的な様子が紹介されている。

新加入のストライカーに求められるのは、得点だけではない。味方がどこでボールを持ち、どのタイミングで前線へ入れるのかを短期間で理解する必要がある。その過程で早々にゴールを記録したことは、競争へ入るうえで小さくない一歩だ。

鳥栖戦で深まった攻撃、残った守備の判断

鳥栖戦では攻撃のテンポと連動性が前進した一方、状況に応じて試合を締める守備が次の課題になった。

7月13日のサガン鳥栖戦は35分×4本で行われ、4本合計2-2だった。最初の2本は0-0。守備では舩木翔、藤原優大、GKノア・ムバウマンらが中心となり、ゴールを許さなかった。

攻撃では左サイドハーフに入った森璃太がスピードを生かして仕掛け、チーム全体でも敵陣でボールをつなぐ場面を作った。ただし、前半の70分間は無得点。ボールを前進させるだけでなく、最後の局面を得点へ結び付ける精度は課題として残った。

3本目に笠井が先制点を奪い、磐田戦に続く2試合連続得点を記録。4本目に逆転されたものの、笠井が再びゴールを決め、引き分けに戻した。

この試合から読み取れる前進と課題は、次のように整理できる。

  • 前進:テンポよくボールを動かし、複数の選手が連動する攻撃が増えた
  • 前進:最終ラインからの組み立てとサイド攻撃を、練習から実戦へつなげた
  • 課題:優位な時間帯に得点を奪い切る精度
  • 課題:リード後の試合状況に応じた守備と粘り強さ

船越監督も攻撃のテンポと連動性には一定の手応えを示した一方、守備では粘り強さに加え、状況を見た守り方を課題に挙げた。

ここがポイント: 2試合連続の2-2は「攻撃も守備も同じ状態だった」という意味ではない。磐田戦では劣勢からの修正力、鳥栖戦では攻撃の前進とリード時の守備という、異なる材料が得られた。

競争を動かした選手たち

八重瀬町キャンプでは、既存の序列を固めるより、新加入選手、若手、経験者がそれぞれの役割を示す段階にあった。

笠井佳祐は結果で一歩前へ

最も分かりやすい結果を残したのは笠井だ。磐田戦で同点ゴール、鳥栖戦では2得点。公開された2試合で新潟が挙げた4得点のうち3点を記録した。

トレーニングマッチの数字をそのまま公式戦へ当てはめることはできない。それでも、異なる相手、異なる試合展開で得点した事実は重い。特に鳥栖戦では先制点だけでなく、逆転された後の同点弾も奪った。開幕時の起用を考えるうえで、船越監督に具体的な選択肢を提示した形だ。

新加入選手と若手が適応を進めた

クラブの初日レポートでは、桑山に加えて前田椋介が積極的にボールへ関わり、アルビレックス新潟U-18所属で来季加入内定のGK松浦大翔が大きな声で指示を出す姿が紹介された。

一方、チーム最年長の舞行龍ジェームズは若手へ積極的に声をかけていた。新体制のキャンプでは、戦術を伝えるのは監督やコーチだけではない。経験者が練習中の基準を示し、若手が遠慮せず要求を出せる関係を作ることも、短期キャンプの重要な仕事になる。

なお、クラブは全日程の参加者一覧や各選手の出場時間を公表していない。開幕時の序列やメンバー構成は、公開された場面だけで断定できない。

キャンプ後に問われる3つの基準

八重瀬町で得た手応えが本物かどうかは、8月8日のJ2開幕から、攻撃の再現性と守備の安定を両立できるかで決まる。

新潟は7月17日にキャンプを終え、7月25日にモンテディオ山形とのプレシーズンマッチ、翌26日には同クラブとのトレーニングマッチを実施した。26日の一戦は1-0で勝利している。

そして、2026/27明治安田J2リーグは8月8日に開幕する。新潟の初戦はNACK5スタジアム大宮でのRB大宮アルディージャ戦。続く8月15日には、デンカビッグスワンスタジアムで北海道コンサドーレ札幌とのホーム開幕戦を迎える。

見るべき基準は3つある。

  • 立ち上がりの強度:磐田戦のように相手の速度へ適応するまで時間を要しないか
  • 攻撃の仕上げ:サイドから前進した後、決定機と得点を継続して作れるか
  • リード時の守備:鳥栖戦で残った、試合状況に応じた守り方を改善できるか

笠井や桑山が公式戦でも得点争いへ食い込めるか、森のサイドでの推進力を周囲がどう生かすかも注目点になる。ただし、トレーニングマッチと公式戦では相手の分析、プレッシャー、交代の使い方が変わる。キャンプで見えた個々の好材料を、90分の勝点へ変換できるかが本当のテストだ。

八重瀬町で作ったのは完成形ではなく、問題が起きたときに戻るための基準である。初戦の大宮戦では、ボールを失った直後の反応と、先に得点した後の守り方にこそ、11日間の成果が表れる。

※練習公開の可否や開始時刻は変更される場合があります。見学前にはアルビレックス新潟公式サイトの最新スケジュールをご確認ください。

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